★ ナガレタゴガエルについては、多くの間違った内容が、一般の人向けの図鑑や書に記述され、
その結果、ネットの Wikipedia 等にも多くの間違い・偽り内容が、 そのまま転記・記述されています。 大学の研究者を含め複数の人が、調べもしていないのに、勝手な「推測」から断定的な文章で、 記載した内容が、転記されているためなのです。 日本に限らず、両生類の研究者は、極端に少なく、 最初に身分・地位のある大学の研究者らが、勝手な偽りの記述をすると、 長い間・ほぼ永遠に、 訂正されず混乱を引き起こすのです。 なぜなら、@.研究者が少ないゆえに、誰も、疑わしい内容の真偽を追試をして確かめないから。 A.最初に虚偽記載した不届きな大学研究者のくだらないプライドのために、後に、虚偽内容・正しい 内容が正規に論文として発表されても、図鑑等の内容を、頑として訂正しないから。 ◎ ただし、偽りの記述内容の多い「日本カエル図鑑」や「平凡社の図鑑」を、少しだけ擁護するならば、 日本の両生類の分野では、原著論文(元の記載になる研究報告)自体が、ほとんどないために、 図鑑の内容の内、特に生態面の記述内容は、推測や伝聞的な内容程度で書くしかないのです (形態面の特徴については、標本・写真等から、正しい内容ですが)。例えば、「日本カエル図鑑」の 生態面の記述内容の多くは、何と1930年の岡田氏の「日本産蛙総説」からの引用なんです。 ⇒ 日本カエル図鑑の終わりの参考文献を見れば、わかる人にはすぐにわかること ⇔ 原著論文がほとんど無いのです。 ※ 本来なら、大元となるべき図鑑は、数千の原著論文から成り立っているのですが、両生類では…。。 ★ ここで、"根本的な問題点は2点"。 ◎ @.「推測で書いている」or 「確固たる原著論文がない & 形式上は存在する原著論文の内容が 疑わしい(無審査であり、かつ、データや方法等が不自然であったり・無記載の論文)」、ならば せめて、「〜と思われる。と推測されている。」といった言葉で書いてもらわないと困るのです。 なぜなら、大手の出版社の図鑑で書いてある内容は、事実=誰かが調べたことなんだな、と 一般の人は思ってしまうからです。 けれども、偽りの記述内容の多い、「平凡社の図鑑でのナガレタゴガエルの記述」でも、例えば、 「ナガレタゴガエルは、夏場は、林床で、クモなどの土壌動物を採食している。」などと、誰も調査も していない内容を、執筆者本人のK氏は、毎度、平気で断定的な文章で書くのです。 「ナガレタゴガエルが、夏場にどこで生活し、何を食べているのか」など、誰も調査もしていないのに。 この夏に関する様々なテーマは、私もまだ手を出していない・手を出せない、難しいテーマなんです。 執筆者K氏は、毎度、多くの内容を、あたかも、自分で or 誰かが調べた報告内容かのように、 物語のごとく書き連ねる。更には、平気で、他人のデータを無駄で、K氏は、使用し書き連ねる。; ◎ A.「元々、カエルの生態面の内容の多くは、推測で書かれているのだから、『第三者等からの、 正しい内容 & 図鑑にある虚偽内容』の通告を受けたなら、正直に訂正すべきなのです。」 けれども、既に、「具体的な虚偽内容・他人のデータの無許可使用」、等々がわかっていても、 「日本カエル図鑑」や「平凡社の図鑑」は、絶対に訂正しようとしない。困ったもので…。 |
★ 多くの図鑑中の記述で、ナガレタゴガエルの生態に関する虚偽内容をあげると、以下の@〜Sです。 この内、HI以外の内容は、たった2本の論文(もどき)に記述された or 起因している内容です。 ※ この2本の論文&@−Sについては、◆→【1.〜調査研究の概要の(1)A】も参照 ◎ 1本は、K氏による1987年のある論文:(草野 and 福山, 1987)。 これは、3年度(3シーズン)でのデータ:実質的に有効なのは、1年ないし2年のデータだけで、 さも、10年は調査したかのごとく、D−G;JO−Qの内容の記述、他、普通なら20本位の論文に する内容・結論を、ほぼ全て科学的根拠など無く、推測だけで話を作り上げ、多くの虚偽記載を しまくっているのです。 この論文は、根本的に「全てにおいて方法がおかしく」&「データが不十分 or データが無い」ので、 結論などは導けるはずが無いのに、断定的に「〜である。」と記述しているです。調べもせず、「1を 見て100を知る」ごとき推測で、書き連ねた内容なのです。 それゆえ、この作文の様な論文の内容を何も知らない人は、当然ながら、きちんと調べて、確固たる データ的に根拠があって、結論が報告されているのだと、信じてしまうのです。 ◎ もう1本は、M氏による1978年の報告:(松井, 1978)。 LMNを記述している。 もちろん、この報告でも、方法は何も記述せず=科学的根拠・データなど何もなく、結論として 記述しているだけです。 ◎ 1990年代までは、極小の爬虫両生類の学会では、何の科学的根拠の無い:データや証拠の図表 等々などないのに、結論を書き連ねても、審査が通った論文として通っていたのです。 そして、他のメジャーな学会なら、許されない不正行為もお構いなしでしたから。 一般の人には信じられないでしょうが、中心人物がそうなのだから、自浄作用は働かない。 ★ その最たる、論文が、上記の2本の論文です。普通なら、小保方さんの論文のように、間違いなく 撤回されないとおかしいのですが、極小の学会では、そうはならないのです。 ★ この2本を撤回すると、「日本カエル図鑑、等々、の内容が全て根底から崩れ去り、何もかも、 記述内容を訂正しないとならないからです」 =「誤りを認めないとならないから」=「それをしたくないから」。 ◎ これら2本・2名のふざけきった虚偽報告の内、「メインの虚偽報告内容=最もふざけた内容」が、 D・E.「水温が4℃に達すると繁殖行動を開始し、その後は4℃以上を必要としない」 J.「産卵数(蔵卵数)は、50-170個:平均130個ほどである」;P「性比は♀:♂=1:1である」 L.「幼生(オタマジャクシ)は成長しても最大で21mmほどにしかならない」です。 ※ 私が1991年に調査開始した当初、K氏は私に対して、「ナガレタゴガエルについては、もう何も 調べることなんてないよ。俺が(K氏が)、全て調べつくして(1本の論文で)報告してしまったから。」と、 真顔で言ったのです。 私は、「本気で言っているのか? それとも、何から何までデータ無しで、 虚偽記載をしまくった、不正行為からくる『やましさの裏返し』なのか?」と思いました。 そして、「何一つとして調べていない。結論を出せる内容は何も無い、の間違いだろ?」; 「何で、たった1本の作文のような論文もどきで、何もかも、勝手に推測で結論を書きまくるのさ?」 「誰かに調査されると、K氏が推測で書いた内容が全て否定されるのを恐れているだけだろ?」 「本来、50-100本位の論文にしないと、1つの種の生態なんて書ききれないよ…」 と、思ったものです。(けれども、K氏は本気で調べつくしたと思っていたのです、恐るべし!) ★ 下記の@-S(青字)は全て、科学的拠があって記述されたものでは無い S以外は、内容が全て間違い。Sの内容の真偽は全く不明 全くおかしな非科学的な方法からの断片的なデータからの推測 or 全くデータも無く推測によるのに、断定的に記述された内容。 @.「ナガレタゴガエルは、希少種である。」: いいえ。その逆:日本のカエルで最も生息数が多い。 ⇒ 一部の大学教員の推測による、悪質な虚偽記載内容。詳細は後述。
A.「ナガレタゴガエルは、特定の地域・流域にしか生息していない。」: いいえ。その逆です。
⇒ 一部の大学教員の推測による、悪質な虚偽記載内容。詳細は後述。
@Aは、『珍しいと注目してくれる』、という願望から単に推測で書かれた虚偽内容。
B.「ナガレタゴガエルの水中冬眠が珍しい。」: いいえ。その逆です。
⇒ アカガエルの仲間は水中冬眠が基本;陸上冬眠が珍しい。
C.「ナガレタゴガエルの繁殖活動期は2〜4月である。」:いいえ。 根本的に、この記述は間違い。
⇒ 単なる推測から断定的に書かれた虚偽内容。 正しくは、平均的な流域で11月上旬〜3月下旬
D.「ナガレタゴガエルの水温が4℃に達すると繁殖行動を開始する。」: いいえ。
⇒ 草野氏の推測による、虚偽内容です。
E.「一度、繁殖行動を開始すると、その後は4℃以上の水温が必要と言うわけでは無い。」: いいえ。
⇒ 草野氏の推測による、虚偽内容です。
F.「ナガレタゴガエルの繁殖行動(産卵移動行動)と降雨・降雪との相関関係はない。」: いいえ。
⇒ 草野氏が、毎度のごとく、推測し、断定的に書いただけ。詳しくは後述。
G.「ナガレタゴガエルのペアは、良い産卵場所を探すために、長期間、ペアを継続する。」: いいえ。
⇒ 草野氏が、毎度のごとく、推測し、断定的に書いただけ。詳しくは後述。
H.「ナガレタゴガエルは、日中・昼間に産卵する。」: いいえ。 正しくは、『夜間』です。
⇒ 極めてごくごく一部(1%位?)の♀がしょうがなく日中に産卵したのが人の目にふれるだけ。
I.「ナガレタゴガエルは、淵の底の枯葉の上等に産卵する。」: いいえ。
⇒ 正しくは、『大きな石・岩の裏に、多くの(100-200匹もの)♀が密集して産卵』。
基本、人が目視できるような所・流されやすいような所になど、産卵しません。
ごくごく一部(1%位?)の♀がしょうがなく人目に付く沢底に産卵したのが人の目にふれるだけ。
J.「ナガレタゴガエルの産卵数(蔵卵数)は平均130個:50-170個。」:いいえ;
正しくは、【平均180個】(130-300個ほど)。
K.「ナガレタゴガエルの卵の大きさ:一部で直径3.6や4mmの記載があるが・・・」: いいえ。
⇒ 詳細は後述。
L.「ナガレタゴガエルの幼生は最大でも21mmにしかならない。」: いいえ。30mm位になります。
⇒ 松井氏の勝手な推測で断定的に書かれた甚だしい・極めて悪質な虚偽内容。詳しくは後述。
M.「ナガレタゴガエルの幼生は、何も食べずに変態し子ガエルになる。」: いいえ。普通に採食します。
⇒ 松井氏の勝手な推測で断定的に書かれた虚偽内容。詳しくは後述。
N.「ナガレタゴガエルの幼生の【歯式】は、安定していて、[1:2+2/1:2+2】である。」: いいえ。
⇒ 松井氏の勝手な推測で断定的に書かれた虚偽内容。詳しくは後述。
O.「ナガレタゴガエルの♂の体長(SVL):39−56mm。」: いいえ。56mmは大間違い。
⇒ 詳しくは後述。
P.「ナガレタゴガエル個体群の性比は、♀:♂=1:1である。」: いいえ。
⇒ 草野氏が、毎度のごとく、推測し、断定的に書いただけ。詳しくは後述。
Q.「林から11月に渓流に移動した個体はその後余り移動せず水中の石の下で越冬する。」: いいえ。
⇒ K氏が、毎度のごとく、推測し、断定的に書いただけ。詳しくは後述。
R.「カワネズミが主要な捕食者である。」: いいえ。
⇒ 草野氏が、毎度のごとく、推測し、断定的に書いただけ。詳しくは後述。
S.「ナガレタゴガエルは、夏期には林床で、クモなど土壌小動物を食べて暮らしている。」: ???。
それゆえ、夏の生活場所や何を食べているのか、等々、いっさいが不明。
いつものことながら、草野氏が、推測で勝手に話を作って書いているだけのこと。
★ 元々、私が、『ナガレタゴガエルの調査研究を開始し継続した理由の1つ』が、上記の@〜S: 草野氏&松井氏による報告内容は、全て虚偽と確信があったから(元々、全て根拠・データ無しの報告); 特に、草野氏報告のDEJ&松井氏の報告のLが絶対にありえない」と思ったからです。 それゆえ、草野氏と実質的に同じ場所で調査を開始したのです。なぜならば、元々、K氏の調査では、 方法が無茶苦茶で、何一つ、結論を出せるものは無く、推測で全ての事を物語のごとく書いていた のですが、「もしも、私が、全く異なる場所:多摩川の源流域、等で詳細な調査をして、全て異なる 結論を導いても、『調査場所が異なるからだ。もしも、同じ調査場所でデータをとったなら、結果的 には、草野氏と同じになるかもしれない』と、ふざけた言い訳ができる」ため、そういった言い訳・詭弁を させないために、ほぼ同所で詳細な調査をしたのです。 そして、草野氏が勝手な推測で書き連ねた内容=ここの@〜S等が虚偽であることを全て、詳細な データ・統計解析で、証明したのです。 |
★ 希少種ではありません。 その逆で、下記ABCの特徴がある種です。
A.【莫大な生息数】; B.【広大な生息域】; C.【けたはずれな移動能力】 [A]. 疑いようも無く、『日本のカエルで最大の生息数を誇る一種』です。 私の調査地の1つの沢には、成体だけで20万匹前後;もう1つの沢で6-8万匹ほど生息しています。 両沢ともに、密度的には、沢の流程 100m当たり800-1000匹程度です。 東京都の多摩川水系では、少なく見積もって、100-200万匹は生息しています。 ヒキガエルなどは、比較の対象外ですし、アマガエルよりも多いはずです。 [B]. かつ、『同一個体群の生息域が沢の数Kmにも渡ること』 こそが、注目に値するのです。 ◎ ほぼ全ての両生類では、同一個体群の生息域は、繁殖地の池などから半径50-100m位なものです。 ところが、ナガレタゴガエルの場合、「数kmに渡る沢の流域が同一個体群の生息域」なのです。 ◎ これは、【産卵場所】が、一般の動物や他の両生類と大きく異なるからです。 渡り鳥・サケ・他の両生類での産卵場所は、ある特定の場所・地域・流域で、その場所へ向かって 回帰移動するのです。が、ナガレタゴガエルの場合、産卵場所が、特定の淵・流域ではないのです。 わずか数十m移動し産卵し終えるペアもいれば、数日かけ数km移動し産卵するペアもいるのです。 この点は、どうしても欧米の研究者には誤解される点で、「そんなわけないだろ」と否定されがちな、 特殊な特徴なんです。これも、ひとえに、世界で唯一、超難産が起因しています。一般のカエルは、 ペアになったら=♀が♂に抱接されたなら、その日の内 or 2・3日以内に産卵するのですが、 唯一、世界のカエルでナガレタゴガエルだけは違うのです。 [C]. 世界のカエルの中でも、おそらく『平均移動距離が最大のカエル』であり、 特に、『分散移動能力』も長けていて、尾根越えして隣の沢への移動など当たり前であること。 ◎ ナガレタゴガエルは、夏場には、沢の源頭・水源部付近の水辺で生活していると推測されます。 ※水辺なのか、水際から離れた林床なのかは、未だ定かではありません。 秋の10月中・下旬から、源頭部から水中へ移動し下流へと水底を流下移動し冬眠・繁殖するのです。 つまり、ナガレタゴガエルの生活場所の起点は、水源・源頭部なのです。 ⇒ ナガレタゴガエルを見ようと多くの人が秋川上流域に毎年来ますが、もっとも勘違いしているのが、 @.「ある特定の流域に多く生息しているのだろう」と思っていることなんです。 違いますよ。「数kmに渡りまんべんなく、どこの淵・トロ場にもいるのです」。 ⇒ 同様に多くの人が誤解している内容:A.「本来の生息流域よりもずっと下流で探していること」。 ナガレタゴガエルは、沢の源流・源頭部を起点にして行動しているのです。 そのため、私が、以前、沢で出合い、度々、計20人ほどの観察者に教えてきたことは、 「多いのはもっとずっと上流の方ですよ。」「特定の淵や流域にいるわけではありませんよ。」 ということなんです。 [A・C]. ナガレタゴガエルは、[A:生息場所の特徴:人為的影響を受けず・天敵が少ない]; [C:移動能力・ルートの特徴:移動能力に長けている&魚類のような水中長距離移動]という 2つの特徴から、【莫大な生息数】・【1個体群の生息域が広大】、のみならず、 【日本の広範囲に生息】という特徴があります。 ★ 本州のほぼ全域に生息しているのは、当然: いなけりゃおかしいのです。 「特定の地域・流域にしか生息していない」と考える・推測する人は頭がおかしい; 少なくとも、野生生物の研究者には絶対に向いていないのです。 魚のごとく、水底・水中を長距離移動しているのですから、魚のヤマメなどと同様、同じ水系には、 全流域・全支流に生息していなければおかしいのです。まして、ヤマメは尾根越えなどできませんが、 ナガレタゴガエルは、簡単に尾根越えをするのですから。 (※ あまり知られていませんが、 ナガレタゴガエルだけでなく、ヤマアカガエル & ヒキガエルなども、いとも簡単に尾根越え・分散移動しますから)。 ◎ 私などの研究者から言わせれば、「なぜ、『特定の流域』や『特定の地方』にしか生息しないだろう、 などと推測するのか?」、とても理解に苦しむのです。 例えば、「ヤマメが、利根川水系の鬼怒川には生息しているのに、他の支流には生息していない」 などと考えますか? 「特定の流域・水系にしか生息していない」&「希少種」などと考える人は、 両生類はもちろん、野性動物のことを理解できない=研究者には、なってはいけない人なのです。 ◎ 野性動物の行動に関しての基礎知識・センスのある人なら、まず最初にナガレタゴガエルの生態を 少し知った時点で、「ナガレタゴガエルは本州全域に生息するはず」とまず考えるんです。 実際、「信濃川水系;利根川水系;荒川水系;多摩川水系;相模川水系;富士川水系;…等々の 水系(各川の全支流ということ)に全て、生息していることは、もうずいぶん以前に確認されています。 生息していない沢は、特別に人為的な影響がある場合だけなんです。 ★ 信濃川水系(新潟・長野県)・利根川水系(群馬・栃木県)・那珂川水系(栃木・茨城県)の各支流〜 山口県に生息: ★ あまりに寒い地: 東北地方の水系には生息していないようで、この『北限の水系・分水嶺』 に意味があるんです: つまり、阿賀野川水系 & 阿武隈川水系に生息しているのか? また、茨城の久慈川水系も微妙(たぶん、全支流に生息していると思います)。 ※ 千葉には、地史上、生息していないはず; ※ 九州・四国にも地史上、いないはず? 以前、私に「九州の〜の山中にもナガレタゴガエルが生息 している」とメールしてきた人がいるのですが、私の印象では、ヤマアカガエル等と混同している様子。 ◎ 「いることを証明するのは容易いし・あまり意味をなさない」;けれども、「いないことを証明するのは 難しく意味がある」。などと言われることがあります。 つまり、単にこれまでは、「ナガレタゴガエルが、生息している沢だけが取り上げられていた」だけ; 「誰も、生息していない沢・水系を証明などしていない・できない」のです。 つまり、「本州各地に、『いない』のではなく、『目につかない・見つけにくい』 だけのこと」。 ★ ではなぜ、これまで&現在も、ナガレタゴガエルは、気付かれにくいのか? ⇒ 主に、下記<1>-<9>の理由による ◆→【★5.文献・資料のB・C】も参照 <1>. 『元々、生息場所が源流部で、人の生活場所とは遠く離れている』; <2>. 『半年間の水中生活期でさえも、一貫して水底生活のため人目につかない ⇒ 世界のカエルで、 息継ぎに上がらず、ずっと水底で生活するのは、ナガレタゴガエルとチチカカガエルくらい』; <3>. 『水底生活期でさえ、基本、石の下の隙間に隠れている』; ◎ 更には、唯一、普通に空中から目視可能な、2-3月の産卵行動期でさえ:<4><5><6><7> <4>. 多くの個体が見れるのは、1週間ほどの短期間: 渓流釣り師に、この時期に気づかれやすい; <5>. 『この1週間の産卵行動ピークが、降雨による水温上昇で誘発される年(=2年に一度位)では、 増水のために、人が目視で観察できるような場所にカエルは居つかず、かつ、水面の波により、 ほとんど見ることができない。カエルは流されない、水流・水圧を避け、石下に居つくから』; <6>. 『産卵期の行動期でさえ、保護色・隠ぺい色のごとく、水底の岩・枯葉等の色と体色が似ていて、 一見、気づきにくい。動いてくれないと、見慣れていない人は気づきにくいのです。』; <7>. 『他のカエルとは異なり、鳴き声が聞こえない』; (※ ほとんど知られていませんが、時に、陸上で、アマガエル並に、けたたましく鳴くこともある) <8>. 『夏期には、ブッシュ・下草で、ナガレタゴガエルに限らず、ほとんど見つけるのは至難の業』; 等々の理由から、莫大な生息数を誇りながら、人目には付かないのです。 ◎<9>. 『特に、日本海側や長野県、等の積雪の多い地方では、ほぼ気づかれることはない』 なぜならば、2・3月の産卵移動行動が誘発される水温上昇時は、基本的に、融雪増水を伴う状況で、 太平洋側等の低山地での産卵行動期とは、全く、様相が異なるのです。晴天でも、融雪で増水する のです。東北などでの春の渓流釣りでは、「晴天日は、午後に川が濁る」と言われます。なぜか? 午後には融雪で増水し、融雪時には、斜面の細かい土砂を巻き込む & 元々、積雪中にあった 細かなチリ等も流れだすので、晴天日なのに降雨日のごとく、川が濁るのです。かように、積雪の 多い地方では、ナガレタゴガエルの産卵行動期には、晴天日でも、融雪増水で濁り・波立ち・水位も 高いことが多く、多数のカエルが水底にいても見れないのです。 ※ 関東(奥多摩)地方でも、2014年の百年〜二百年に一度の大雪の年には、信じがたいことに、 奥多摩等の低山地でさえも、谷間には、平均でも2m位、多い所で5−7mもの積雪になったのです。 もちろん、気象統計上の積雪は最大で140pほどでしたが、尾根・斜面の雪が全部、谷間に すべり落ちてきたからです。まるで、北アルプスや東北地方の夏の雪渓の様相を呈していたのです。 この年は、産卵期には、融雪増水で、全くと言っていいほど、カエルを見ることはできませんでした。 融雪増水で、水が多く・波立ち・少し濁りも入り(特に午後には濁り)、元々、見えにくい状況の上に、 カエルは流されまいと、石の下に隠れるので、まず見れなかったのです。まるで、日本海側など、 積雪地方で根雪の多い地方での、融雪増水を思い起こさせる極めて異常な年だったのです。 ◎ 結局、簡単に観察できるのは、積雪の少ない地方の低山地の[冬眠期]&[2月下旬の産卵期]です。 冬眠期には、居場所の特徴を知っていれば、いとも簡単に大量捕獲が可能ですし; 産卵行動期では、2月下旬の晴天日ならば、淵で、必ず観ることできます。 ただし、日本海側や長野県北部などの、平年で積雪・根雪が多い沢で、観るのは、極めて困難です。 ★といっても、ナガレタゴガエルは、山間部の住民にとっては、ずっと昔から、 認知されていた、あまりにごくありふれたカエルだったんです。
◎ 筆者の調査地: 東京都桧原村では、戦前から一部の住民が、ナガレタゴガエルのことを
『ビロビロガエル』と呼び、とてもありふれたカエルなんです (皮膚がたるんで『ビロビロ』だからです)。 今でも忘れられないのは: 調査初年度の1991年度の産卵活動のピークに、ナガレタゴガエルの♂の 集団が約300匹前後は一目で見れる大きな淵で、私が観察していた時に、地元のおじさんに、 「なんだ、『ビロビロガエル』なんて調べて、何か面白いんか?…」と言われたことです。 そう言われた時に私は、「やっぱ、そうだよな。こんなアリん子やスズメみたいに、うじゃうじゃ、 沢中に数万〜20万匹もいるんだから、地元の人からしたら、こんなカエルの何が面白いんだ?、 と思って当然だよな…」と納得したものです。ちなみに、繁殖期のピーク期には、沢の数kmに渡り、 ほぼ全ての淵・トロ場で数十匹〜100匹が集まり、100-300匹やそれ以上の数が見れる大きな淵や トロ場も、珍しくもないのですから。 ◎ 一方、もちろん、東京都桧原村以外の地域でも、昔から、山間部の住民には、『ナガレタゴガエルの 存在は認知されていた』ということを示す記録はあります。あまりにも、両生類の研究者が少なく、 かつ、その少ない研究者が、いかがわしい・詐欺師だったために、混乱をきたしただけのこと。 ◎ 筆者の調査地の内の一つの沢には、成体だけで10-20万匹のナガレタゴガエルが生息しています。 そして、基本、本州の低山地には、どの沢にも、6種のカエル: ナガレタゴガエル・タゴガエル・ ヤマアカガエル・カジカガエル・モリアオガエル・ヒキガエル、が生息しているのですが、私の調査地の この沢では、ヤマアカガエルの成体は、おそらく1000-2000匹位;タゴガエル・カジカガエルは、 もう少し少数;モリアオガエルやヒキガエルは500匹程度;位と思います(⇒各繁殖期の観察から)。 ◎ 私が、毎年数千〜1万匹の成体を捕獲し調査してきたといっても、調査地の沢に生息している 全体の数%〜10%弱に過ぎないのです。 ★ 『希少種』としたいのは、一部の研究者・観察者 & メディアによる悪質な戦略 ナガレタゴガエルは、新種として認知された1978年〜1990年頃まで、[両生類学分野の要職に就く 一部の大学研究者の発言] & [それに乗っかるあさはかなメディア] によって、確固たる根拠などは 何一つも無いにもかかわらず、『希少種&特定の地域に生息』として持ち上げられ続けました。 もちろん、これらの発言:「希少種である」や「特定の流域にしか生息していない極めて珍しい希少種 なので保護が必要だ」といった宣伝文句は、単に、大学研究者の知ったかぶり & いわゆる売名行為 にすぎません。1のものを100にして誇張したり、根拠も無く・願望的推測から『希少』だとか『奇跡』とか 『世界初』という言葉を使って、世間の興味を引こうとしている・ミスリードしているだけのことです。 ◎ 1980年代後半〜1991年頃には、東京都五日市町で、地元都議会議員が、【五日市町のナガレタゴ ガエル】を「東京都の天然記念物」にしようとして、長年に渡り都議会に働きかけ審議されたのです。 これも、そもそもは、地元の観光課や議員さんが、大学の研究者草野氏による、「ナガレタゴガエルは、 希少種で生息地が限られ、特に五日市周辺に多く生息する希少なカエルなカエルなんです…」と、 嘘偽りの宣伝文句によりミスリードされたことに起因していました。 そして、実際、東京都の天然記念物になりかけたのですが、直前に撤回されたのです ⇒ 「本州各地に莫大な数が生息していること」がわかってきて、かつ、「五日市町内には、他の地域 に比べ、あまり生息していないこと(主要な生息流域は、もっと上流の桧原村)」も判明してしまい、 「大学の研究者: 草野氏の言っていたことが、虚偽・誇張だらけと判明」、したために。 ◎ 元々、五日市町の西隣り(秋川上流)に隣接する桧原村等の住民からして見れば、「何で、希少種で 五日市町に特に多く生息している…」などと言った、詐欺まがいの言葉を信じるのかと疑問に思うはず です。が、五日市町の人でなくても、大学の教員という身分・地位のある人の言葉だと、簡単にだまさ れてしまうのです。 ★ 【莫大な生息数 & 広大な生息域】自体が重要なテーマ 仮に、「特定の地域にしか生息せず、生息数も少ない希少」ならば、その要因が重要であると同様、 「他の両生類には類をみないほどに、生息数が莫大;生息域が広大」である要因は何か?、 が重要なんです。「希少種でないなら、無意味・重要ではない」、のではないのです。 ◎ 例えば、筆者が、両生類以外の動物を対象にする行動生態の研究者と話をすると、もっとも興味を 持つ内容は、「何でそんな莫大な数が生息しているのか・できるのか?; その要因は?; 何で、1シーズンに数千・数万匹もの個体を簡単に捕獲できるのか?」と言う点なのです。 ※もっとも筆者個人的な観点からは、「とてつもない生息数」よりも、「年間平均片道で1500-2000m も移動する回帰移動行動」なのです。けれども、両生類以外では、この程度の移動距離は長距離と 思われないのです。典型的な回帰移動行動をする動物は、セキツイ動物: サケ科の魚;海ガメ; 渡り鳥;ヌーやカリブーなど;無セキツイ動物:蝶やカニ、等々、様々います。が、両生類の場合、 小型種ばかりで、かつ、乾燥に弱く・水域に依存するため、顕著な長距離回帰移動のためには、 魚類の様な、川の水中移動に限られるのです(陸上を長距離は不可能なんです)。 ナガレタゴガエルが、両生類の内で・世界で最長距離の移動行動をする:できるのは、水中・水底の 遊泳移動だからなんです。乾燥を防げるし、多くの捕食者から免れるし…。 ◎ それでも、もちろん筆者も、両生類以外の動物対象の研究者らと同様に、『回帰移動行動(Migration)』 のみならず、『莫大な生息数とその要因』にも強い関心があり、それには他の研究者も言うように、 ある幾つかの要因が強く関与していると推定しています(ここでは、まだ述べません)。 ★ ナガレタゴガエルは、保護対象からは、もっともかけ離れた種です: ナガレタゴガエルの様に、「人間の生活域とは遠く離れた場所で暮らし」、「ほとんど人為的な影響を 受けない種」の場合、ほぼ人為的な影響で、個体数の増減はしません。 ◎ 保護対象になるのは、@.生息域が独立していて、かつ、限られた地域にしか生息していない種; A.人為的な影響を強く受け、かつ、個体数の少ない種、等です。 これらの点で、ナガレタゴガエルは、日本のカエルの種で、最も当てはまらない種なのです。 なぜならば、「生息域が莫大・広大」; 「生息数も莫大、とてつもない数」; 更には、「生息地が 人間の生活域とはかけ離れている」からです。 ◎ 似たような点で誤解されがち & 一部の研究者・メディアがこぞってミスリードしているのは、 トウキョウサンショウウオです。トウキョウサンショウウオは、東京・埼玉の丘陵地帯のどこの谷地にも 多数、生息しているのに、やたらと希少種・保護の言葉を使い、世間をあおりますが、おかしいです。 本当に減少しているのは、もっと人為的影響を受ける & 人間の生活域と重なる種、アカハライモリ です。 東京・埼玉の丘陵地帯のアカハライモリの生息地は、ことごとく、…。 ◎ 一部の研究者等は、『希少』だとか『奇跡』と言う言葉が大好きで、必要以上にバイアスをかけて ミスリードし、何でもかんでも「保護が必要だ」と呪文のごとく叫び、本人が目立ち・有名になろうとする のです。あさましく、嘆かわしい。 ◎ ナガレタゴガエルがレッドリストだ? 笑わせるなって話。 日本の両生類学の大学の研究者は、詐欺師が多いから。 「ナガレタゴガエルが希少種で保護が必要」は、これら詐欺師の宣伝文句にすぎません。 大学の研究者にとって、『希少』・『奇跡』だと、仕事になり、金になるからなんです。 ★ カエルは生まれた池などに必ず戻るなどは偏見: もちろん、多くは生誕地に戻りますが。 魚のサケも同様、戻らない個体も多数いる。「生誕地に戻るのが多い(多くは回帰移動 [Migration] する)」と言うだけであって、「生誕地以外に移動(=異なる水域に移動して繁殖る=分散移動 [Dispersal])する個体も多数いる」のに、この割合等は、調査が難しく、見落とされているだけです。 種によって異なりますが、数% ないし 10−30%は分散移動し、生誕地とは異なる水場で繁殖します。 だからこそ、@.生息地を拡大できる; A.ある繁殖地で、何らかの要因で全個体が全滅した時 でも、他の場所へ移動して繁殖した個体のおかげで、種が全滅せずにすむ、のです。 ※ 分散移動 [Dispersal] 能力の高い実例 (1). 東京都府中市のある都立公園の脇に、2016年初夏、 小さな池が造成された所、何と2017年春には、1匹のシュレーゲルアオガエルが居ついていて、 盛んに鳴いていました。周囲には、全く繁殖地は無いのですが…、数km移動してきたのです。 毎日のように鳴いていて、♀も来て産卵しないかなと思っていたのですが、…。やはりというか、 たった1匹の♂だけでした。おそらく、2.3年後には、ここでヒキガエル・アマガエル・シュレーゲル アオガエルが繁殖するでしょう。それくらい、分散移動能力に長けているのです。 ※ 分散移動 [Dispersal] 能力の高い実例 (2). 数年前、あるテレビのニュースで、鳥取砂丘近くの池で、 周りにカエルの繁殖地は無いのに、毎年、カエルがどこかから来る・オタマジャクシがいる、最も近い カエルの繁殖地は直線距離で300mもあるのに…奇跡だ…。」といった内容でした。この程度は、ごく 普通のことなのに、ことさらに『奇跡』とミスリードするのです。ふざけたテレビ局だなと思いました。 ★ 前述もしましたが、カエルは、必ず生誕地に戻るわけではない;一部の個体は必ず、毎年、数百m〜 2・3km or 数km以上も分散移動するのです。そして、ナガレタゴガエル・ヤマアカガエル・ヒキガエル などは、いとも簡単に尾根越えしますから。 |
★ アカガエルの仲間(Rana属:Ranid frogs)の基本は『水中冬眠』です:
★ 専門家を自称する大学の研究者が、当初、『希少種で保護が必要』と嘘八百並べていたのと同様、 2000年頃までは、ナガレタゴガエルの『水中冬眠が珍しい』とか、『水中冬眠をするのは世界の カエルでナガレタゴガエルだけ』とか、ネットや一部の書で、恐ろしい偽り内容が書かれていました。 もちろん、全くのでたらめ、虚偽記載です。 ◎ ナガレタゴガエルやヤマアカガエルなどのアカガエルが水中冬眠するのは当然なんです。 自分自身がカエルの立場になれば当然ですよね。 凍結を避け・安定した場所は? 水中で、しかも流水地で砂利中、でしょ! ★ 「温帯地域のカエルは、通常の生活場所(=非繁殖期の生活場所)で冬眠する」と言われていて、 冬眠様式は、以下の@ABの:大きく3タイプに分けられて考えられています。 @.ヒキガエル(toads: のこのこ歩くカエル・『繁殖期以外は水辺から離れ』林床などで暮らす)は、 穴堀り地中冬眠が基本: 凍結耐性は無いが、穴を掘れるような指を持つ。 そのため、年度による地中の凍結深度により、冬眠する深さを変える。 A.アマガエル&アオガエル等の仲間(tree frogs: と総称され、『繁殖期以外は水辺から離れ』 樹上などで暮らし・『指先は吸盤状で、容易に木などに登る』)は、『−6℃位までの凍結耐性』を 有する陸上冬眠種で、浅い地中冬眠(木のうろ・厚い枯葉の下、等々)が基本: ⇒ 日本のアマガエル;シュレーゲルアオガエル;モリアオガエル;カジカガエル、等。 ヒキガエルの様な頑丈な指を持たず、深く掘れないが、凍結耐性を有する。。 大雪の下や厚い枯葉の下などは、外気が−10ないし20℃以下でも、保温効果でそれほど低温に ならず、−5℃以内位で保たれるのです。 B.アカガエルの仲間(water frogs, pond frogs: などと総称され、『繁殖期以外もたいてい水辺で 暮らす』)は、凍結耐性を持たず、水中冬眠が基本(水底の砂利中や湿地など湿った土の中): ⇒ 水かきが発達し泳ぎがうまく&跳躍力の有る種。 ↓ 日本では、↓ 1)赤茶色の、ニホンアカガエル;ヤマアカガエル; タゴガエル;ナガレタゴガエル; 冬〜早春に産卵 2)緑色の、ダルマガエル群:ダルマガエル;トノサマガエル;トウキョウダルマガエル; 晩春〜初夏に産卵 指は全体的に細く・ヒキガエルのような頑丈な指も持たず、かつ、凍結耐性を持たないために、水中や 湿った浅い地中で冬眠する。欧米のアカガエルの仲間の多くで水中冬眠が報告され、寒冷地では、 半年前後〜9ヶ月間以上も水中で冬眠することの報告が古くから複数ある。 ◎ けれども、随分昔から、アカガエルの仲間(Ranid frogs)でも、世界で3種は、アマガエル類と同様、 −6℃位までの凍結耐性があることが実験で確認されていて、これらは、純粋な陸上地中冬眠です。 ⇒ Rana sylvatica (= Lithobates sylvatica), Rana arvalis, Rana lessonae の3種だけ。 ★ ≪水中冬眠種の特徴≫: ↓ [1]. [2]. [3]. ↓ [1]. 水中では『耐凍結』には有利だが、やや酸素不足である。そのため、アカガエルの仲間は、 ヒキガエルやアマガエルなどの仲間に比べ、顕著に『低酸素耐性』を持つ傾向があることが実験で 確認されています。 ⇒ アマガエル・ヒキガエルは、水中に沈めずっと閉じ込めると死んでしまうのですが、アカガエルの仲間は…。 [2]. 『より凍結しない & より酸素が多い場所』を選択するために、『止水域』よりは、『流水域』を 冬眠場所として選択する傾向にあると報告されています。 [3]. 「水中冬眠の場合、完全な休眠状態にならない」という古くから多数の報告がされています。 これは、「水温が気温よりも温度が高い(0℃以上)」ためであり、一方、「急な増水や凍結時に 避難のための移動を可能にするため」と考えられています。 ★ ナガレタゴガエルも、水温0-4℃の中で冬眠していても、休眠状態にはならず、常にリアクティブな 非休眠タイプの冬眠です。そのため、捕獲しようとすると、とてもすばやく泳いで逃げます(もっとも 春〜秋に比べれば動きはにぶいですが)。また、大雪 & 長期の強い寒波による低温継続による、 沢の浅い部分などが凍結時に、冬眠場所を変えるのです。 ★ 欧米の寒冷地では、ヒキガエルの仲間も流水地で水中冬眠する報告例は、 古くから多数あります。 そして、それらの水中冬眠のヒキガエルは、非休眠の場合が多いのです。 ★ また一方、『ヒキガエルの仲間でさえも、元々、水中冬眠が基本の種もいます』。 ★ いずれにせよ、『寒冷地であればあるほど、アカガエルの仲間以外の、本来、陸上冬眠種でさえも、 より凍結しない場所を選択し、流水地で水中冬眠する』という報告は古くから多数あるのです。 そして、『流水地冬眠の個体は基本、非休眠冬眠』です。 ※⇔『止水地の水中冬眠の場合は、休眠 or 非休眠、地域によって様々』です(世界の多数の報告から)。 ★ 流水地には、[凍結しにくい] & [酸素が豊富] という2つの大きな利点があるのですから! ◆ これ以上の詳細はここでは述べませんが、 いずれにせよ、[水中冬眠が珍しい]は、甚だしい悪質な虚偽記載ですから! ※ 日本の多くの人が、身近な日本のヒキガエル・アマガエルの仲間を基にした先入観が強いために、 「カエルは、『鳴いて求愛する・陸上の地中で冬眠する』のが普通」といった間違った認識が強いのです。 ※ 残念ながら、日本には、両生類の生態: 特に行動生態面での教科書・総説が出版されていません (形態・分類面ではありますが)=書ける人が、ほぼいないから。 欧米でも、両生類の研究者:特に生態研究者は極端に少なく、移動行動や冬眠・春眠・夏眠に関する 教科書・総説といったものは、ほとんど無いのが現状なのです。それでも少ないながら、移動行動や 冬眠に関しての総説・教科書は欧米にはあるのですが、日本には無いのです。 |
★ 詳細は、「3.ナガレタゴガエルについて:特徴@A,F」&「5.文献・資料のE」を参照
◎ ここでは、図鑑等で2-4月と間違った内容で記載された理由の要点について簡単に説明: @.『開始』: 平均的な地方での繁殖活動の開始は11月上旬頃です では、なぜ推測で『2月』という記述がされてしまったのたか? ⇒ 単に、研究報告がほぼ無い状態で、当初、報告された、東京都奥多摩周辺の一部の産卵地の 状況からのみの推測で書かれたためです。かつ、下記の<1><2>をわかっていないで記述している。 ※ 私だけだから: ナガレタゴガエルの年間の回帰移動を研究しているのは…。 ★ ここで問題点は2つ: <1>. 『繁殖行動』と『産卵行動』の区別をせず・わかっていないで記述している。 <2>. 暖かい流域・地域(毎年1月下旬から産卵行動開始)を考慮していない。 <1>. 『繁殖行動』とは、『♂の求愛・ペアリング行動』〜『ペアによる産卵行動』 まで全体のことです。 ナガレタゴガエルの『産卵行動』は、冬眠期明け後の、平均2月頃です。 けれども、ナガレタゴガエルの『♂の求愛・ペアリング行動』は、秋に始まるのです。 ⇒「3.ナガレタゴガエルについて:特徴@A」
私の調査地(複数の沢)では、♂の繁殖行動は、平年で11月初旬に開始します。
標高の高い地域では、平年で10月中・下旬のはずです。 元々、一部の両生類は、秋にペアリング行動を開始します。特に、イモリ・サンショウウオの仲間は。 産卵は冬眠明け後ですが。
⇒「3.ナガレタゴガエルについて:特徴@A」
<2>. 「暖かい水温の高い流域では、産卵行動も、毎年、1月下旬頃に開始している」 『産卵行動期の開始』も、詳しく調査もされずに、「繁殖期は2-4月」と推測で記述されたのですが、 当然、毎年、高水温流域・地域では早く、低水温流域・地域では遅く、開始されるのです。 私の調査地のある水温の相対的に高い沢では、平年で、1月末 or 2月初めに『産卵移動行動』を 開始します。また、2006年度のような極端な暖冬の年では、全ての沢で1月下旬に開始しました。 ◎ つまり、『産卵行動期間』に限定しても、暖かな流域 & 標高の高い低温流域の全体を考慮すれば、 「1月下旬〜3月下旬」という表記が適切と考えられるのです。 ◎ 「平均的な流域」での『産卵活動期間』が、『2月中旬〜3月上旬頃』なのです。 | |
A.『終わり』: 平均的な地方での繁殖活動期の終わりは3月上旬頃です 4月は春眠期: 秋川上流域では:3月中旬〜4月下旬は【春眠期】です ★ では、なぜ推測で、「繁殖期は2月〜『4月』」 という記述がされてしまったのか? ◎ それは、以前、ある観察者が4月に捕獲した♀が卵をたくさん抱えた、未産卵♀だったからなんです。 ただし、この♀は『産卵できずに♂が抱接解除し単独で卵を抱えたまま春眠していた♀』なのですが、 『この♀はこれから産卵する』と思い込み、繁殖期が4月下旬位まで継続するのだろうしている」という 推測により『4月』という記述がされてしまったんです。 ま、普通は、一般的な常識から推察して、そう思ってしょうがないのですが…。 ◎ この観察者の報告当時、既に私は、[数年の【春眠調査】&【室内産卵・発生観察】の結果] から、 下記の2つの特徴<1>. <2>. を知ってましたから、この観察者の報告を読んだ時に、 「困るよな…。これは産卵できずに春眠した♀なのに。4月は春眠期だよ…。」と思ったものです。 ★ 下記の特徴<1><2>が重要なんです。 いわゆる研究者を自認する人でさえ、下記<1><2>共に理解している人はほぼいないので困るのです。 <1>. 「ナガレタゴガエルの♀は、異次元なほど『超難産』のため、最終的に産卵できずに(♂は抱接を 解除し)、未産卵の♀が卵をたくさん抱えパンパンの腹の状態で単独で春眠する(毎年2%強)」 ◎ もちろん、私自身も、このことには当初、驚きました(ここまで難産とは予想だにしなかったから)。 ◎ 一方、4月の時点で、未産卵の♀が単独で、石の下などにじっとしていること自体が、繁殖期は、 とうに終わっていることを意味しているのです。 この時期で♂が♀への抱接解除しているのは、繁殖期がとうの昔に終わっているからなのです。 <2>. 「平均的な地方では、3月下旬以降に産卵しても、正常発生しない・できない」 ★ 元来、世界中のどのカエルも、産卵適期の♀に♂が抱接したなら、当日ないし2・3日中に、♀は すみやかに産卵するもの・しなくてはいけないものなのです。 個々の♀にとって、正常な産卵に適する状態は、長く継続はできません。♂が抱接してから、 あまりに長い日が経ってから、♀が産卵した卵は、受精しても、【過熟(over mature)】のため、 正常な発生をしないのです。一般に、【過熟】の状態で受精した卵は、途中で発生が止まるのです。 ◎ 例えば、私が、2月末に捕獲した多数のペアを、その後、強制的に低温状態に置き、産卵を抑制し、 3月中旬以降に産卵・受精させた所、神経胚後期頃までは、正常に発生が進行しましたが、その後、 多くの卵は発生がストップしてしまいました。 ★ 一方、同一地域・同一個体群で見た場合、元来、『産卵期間』は、 【早期繁殖種】(冬〜早春に産卵するタイプ)では、産卵期がごく短期間に集中: 数日〜1週間程度 ⇔【継続的繁殖種】(春〜初夏に産卵するタイプ:アマガエル・ダルマガエル、等)は、産卵期間が長期に渡る。 ★ つまり、各地域のナガレタゴガエルの正常な産卵期は、基本、1週間ほどなんです。 「難産のため、一見、長期間:2〜3週間に及ぶだけ」&「仮に、♂が♀に抱接後、3・4週間も経過 してから、♀が過熟状態の卵を産卵・受精しても、正常発生しない割合が高くなる」のです。 ◆ <1>・<2>の理由から、ナガレタゴガエルの繁殖活動期を『4月』とするのは、全く不適切なのです。 私の調査地では、『平年で、産卵期は2月末で終了』。 早い年で、2月中旬に終了;遅い年でも3月上旬には終了です。 ※ もちろん、毎年、一部のペアは長期間、産卵できずに、ダラダラと3月中旬 or 下旬まで、流下移動 してトラップに入りますが、これらの♀は、上述した様に異常なのです。 ただし、私の調査地の秋川上流域は、日本全体で見ると、ナガレタゴガエルの生息流域としては、 相対的に標高が低く・水温が高いため、少し産卵期が早いのです。そのため、遅い地域も考慮して、 日本全体で見ると『3月下旬』という表記がふさわしいのか、と考えています。 ★ 結論: 正しい・適切な表現は、日本全体を考慮すると = 相対的に水温の[高温流域]&[低温流域]、共に考慮すると: ナガレタゴガエルの『繁殖行動期間』は、11月初旬〜3月下旬頃; 『産卵行動(産卵移動行動)期間』は、1月下旬〜3月下旬 (or 2月上旬〜3月中旬)。 ◎ 繰り返しますが、「繁殖期が2-4月」と開始・終結時期が間違った表記をされてきた理由は、 <1>.「いわゆる研究者が、両生類の分野では、ほとんどいないから。 そして、まともな研究者がほぼいない、かつ、不正行為等を正す・諭す者がいないこともあって、 両生類の学会では、モラル・倫理などが存在しない・機能しないために、一部のエセ研究者が、 「1つの観察事象から、10も20もの内容を、データ・根拠など無しに勝手気ままな推測により、 『〜である』と記述すること」が当たり前になっていて、かつ、それが許されるからなんです。 各種図鑑のナガレタゴガエルの生態の記述は、単に、「奥多摩を中心にしたたった数ヶ所、かつ、 たった1-3年度での、かつ、断片的な観察」からの単なる推測による記述だからです。 ナガレタゴガエルに限らず、両生類の生態に関しては、図鑑等に記載されている内容は、ほとんどが 調べられて書かれている内容では無いですから。「たぶん、こんなもんだろう」といった推測内容が、 断定的に、「〜である」と話がすり替えられているだけなんです。 それが証拠に、「原著論文」がきちんと記述されている両生類の図鑑は、日本には存在しませんから。 ⇒ 例:「日本カエル図鑑」中でのヤマアカガエルの産卵数は、何が元になって記述されていると 思いますか? もちろん、この図鑑中には原著論文など記載されていません。 ま、事実を知ると、驚き・あきれるでしょう。 <2>. 「4月の春眠期に、『産卵できずに♂が抱接解除し単独で卵を抱えたまま春眠していた♀』 を見て、『この♀はこれから産卵する』と思い込み、繁殖期が4月下旬まで継続している」と勝手な 推測をして、間違った記載をしたものが、いまだに世間を席巻しているため。 <3>. 特に調査もせず記述されたので、暖かい流域では1月に産卵移動行動が開始されること、 等など、全く考慮されていないため。 <4>. 秋の11月上旬(低温地方では10月下旬)に♂の繁殖行動:ペアリング行動が開始されること なども、何も知らず、調査などされず、勝手な推測で書かれている内容であるため。 |
★ 詳細は、「3.ナガレタゴガエルについて:特徴@A」 & 「5.文献・資料のE」を参照
◎ ここでは、「4℃で活動開始する」等々、虚偽記載されている理由の要点について説明: D.「ナガレタゴガエルは、『2月初旬以降』に、『日最高水温が5℃』に達すると、 産卵(繁殖)移動行動を開始します。」
★ ≪ナガレタゴガエルの産卵移動行動開始の3条件≫
<1>. 1月中旬以降の日積算温度がある必須の値に達すること <2>. 最低限の冬眠期間の日数経過≒ある日長に達すること <3>. 行動開始当日の水温上昇:日最高水温、約5℃ or それ以上に達した日の夕方に行動開始 ◎ <1><2>の条件は、当日条件の<3>以前に必須条件であり、 <1><2>の条件の完了は、体内の生殖器官の準備完了を意味している。 ⇒ すなわち、当日の水温上昇(5℃)よりも、<1>:当日までの日積算水温の方が重要であり、 1月中旬〜2月上旬でも<1>条件を満たさないと、日最高水温が5℃に達しても、行動開始しない。 ◎ 一方、日温度で、重要なのは、『日最高水温』であり、『日最低』『日平均』ではない。 ★ 『当日の水温上昇(5℃)よりも、当日までの【日積算水温】の方が重要』がよくわかる例: ↓ @≪【日積算温度の値】が十分に満たされない場合≫: ◎ 毎年1月でも、日最高水温は何度か4℃以上になるし、2年に1度位ある降雨後には2・3日間、 5-8℃になるのだが、1月中では行動開始には至らない。 ◎ また一方、1月中旬〜が極端に寒く低水温が継続する年では、2月上旬に5℃超になっても 行動開始せず、移動行動開始は、2月中旬以降の5℃上昇日にまでずれ込む。
A≪異常に超極端に寒い年≫:
◎ 【日積算温度の値】は十分に満たされても、日最高水温が3月位迄ずっと、4℃前後 or 以下で、 5℃に上昇しない場合 ⇒ 誘発水温の値は 日最高水温 4.5℃前後にまで下がる。
B≪異常に超極端に暖かい年≫:
◎ 2007年の様な異常な年:1月中の日最高水温がずっと5℃以上:6-8℃の様な年では、 行動開始の誘発は、完全に【日積算温度の値】のみに既定される。 例えば、2007年の行動開始日は、どこでも1月で、日最高水温6.5℃ほどであった。 | |
★『水温が4℃に達すると活動開始する』、と虚偽記載されている理由: (→ この記述内容が虚偽であることは、私が著名な国際誌:「5.文献・資料のE(英文)」中で、 公式に、きちんと説明しています。)
★ 最も簡単な根拠・証拠・事実は、
「(K氏の調査地では) 1月に4℃以上になることなどは、しょっちゅうあるし、5−8℃にさえなる; けれども、微動だにしない; 2月に4℃になっても微動だにしないこと。」 ◎ 『草野氏の方法のずさんさ』=「私が、4℃はありえないと最初から確信していた根拠」とは: 「草野氏の論文中には、『水温の計測方法』が何一つ記述されていない」。 実は、「水温」に限らず、K氏の論文には、ほぼ方法やデータが記述されていないのです。 それでいて、恐ろしいことに、10−20もの内容の結論だけを断定的に記述しているのです。 まさに、「単なる作文」なのです。 ◎ それゆえ、私は、まだ、草野氏に多くの論文不正の疑いを、決定的には持つ前に(= 草野氏との関係が 悪くなっていない時に)、鎌をかけるごとく、何気なく警戒されないように、尋ねて確認したのです。 「論文中には、水温の計測方法が何も書いていないのですが、どうやって計測したのですか?」と。 ⇒ すると、その時に最初は、まだK氏も警戒もしていなかったため、正直に答えたのです。 「通いで調査していたから、昼前後に、一度、水銀温度計で計測していただけ…」と、堂々と。 ◎ 草野氏の発言は、私の推測 [=下記↓<1>-<5>]通り、全く、100%予想通りでした。 <1>. K氏は、おそらく、大学の実習指導の授業もあり(私が第三者から聞いた)、「通いの調査」のはず; <2>. 「自動記録温度計はもちろん、最高最低温度計も使用せず、水銀温度計での計測だけ」のはず; <3>. 「日最高・日平均・日最低水温の区別などしていない(できないから)」はず; <4>. 「計測時刻も一定でなく:おそらく12時前後」のはず; <5>. 「計測場所も、特にカエルの行動を考慮して決定していない」はずだ、と推測してたのです。 ★ 私が上記<1>-<5>の様に推測した根拠は:以下の[a]-[d]の記載が、[草野氏の論文]に無かったから: [a]. データが毎日ではない ⇒「自動記録温度計を使用せず、通いの調査」のはずと推測; [b]. 小学生が書いた論文の様に、温度が、「日平均なのか、最高なのか、最低なのか」も書いていない ⇒「自動記録温度計のみならず、最高最低温度計さえも使用していない」はずと推測; [c]. 「使用した温度計」も書いていない⇒私は<1><2>から「水銀温度計」と推測; [d]. 「計測時刻」も書いていない⇒通いの調査のため「一定時刻での記録では無い」はずと推測; [e]. 「計測場所」:水深や流れの状態、等も書いていない ⇔ [b][c][d]から、「草野氏は、沢の水温に日較差などほぼ無いと思い・決めつけ; かつ、どこで計測しても同じと考えていた」、はずと推測。
◎ 上記の[b],[e].は、とても重要なのです(私の様なフィールド専門の者は、常々、認識していますが)。
[e]-1. 同じ沢の水温といっても、上流と下流; 本流と支沢、等で1−2℃も異なる。 これは「標高や日当たり」の要因よりも、「湧水温の値の差」の影響が強い。 [e]-2. 沢の水温も、もちろん、[日較差]がある。特に春の晴天日では、日較差は、3−4℃にもなる。 特に重要な点が、水温は、[朝が最低; 12時頃が平均; 15時頃が最高]という点。 ※. 地温の最高は水温より更に遅れ、最高が夕方の17-19時です。 水や地中では比熱が大きいため、気温に比べ日較差が小さく & 最高温度の時刻が遅れるのです。 つまり、K氏の計測温度は、およそ、『晴れた日の、日平均水温』なんです。 [e]-3. 更には、沢の水温の日較差は、場所によって、大きく異なる(特に冬は)。 淵などの止水域では、日較差は大きく(3-4℃にもなり)、冬の朝には0℃orマイナスにもなる。 流れの速い場所では、日較差は、ほぼ一定で2℃ほど。 ⇒ つまり、「流れの速い、直射の当たらない、水中の石の下のすきま」に、 自動記録温度計のセンサーを設置して温度計測するのが、ベストだということです。 ◎ かように、元々、草野氏の調査では、方法が、何から何まで不適切で、何も結論を言えないのです。 上記の a-d を全く考慮せず、ごまかすごとく、論文中には何の記述もしていないから。 ★ 結果的に、K氏が[4℃]と思ったのは、彼の水温計測が、 およそ12時頃であったためなんです。 ◎ なぜなら、上記の[e]-2.に記したように、12時頃は、通常の天候なら平均水温なのです。 私の調査結果から、産卵行動開始頃の晴天日では、水温の日較差は、2.0℃位です。 つまり誘発水温の日最高水温5℃になる日は、朝の最低が3℃;12時頃の平均が4℃位なのです。 すなわち、K氏の12時頃の4℃と一致するのです。 ◎ けれども、昼以降に急に冷えて午後に水温が上昇しない日:例えば、「最低が3℃;12時が4℃; 最高も4℃位の日」では、全く、行動開始には至らないのです。 つまり、最低温度や平均温度は重要でなく、日最高水温が重要なのです。 ★★ ちなみに、ヒキガエルの冬眠明け≒産卵移動行動開始の誘発温度として重要なのは、 夕方頃の地温≒最高地温と言う報告が古くから多数あります。 このことをK氏が知っていたなら、少しは、まともな方法をとっていたかもしれません。 が、おそろしいことにK氏の論文には、参考文献が1本も無いのです。 ◎ もっとも、草野氏の根本的なミス・過失は、「断片的にしか温度計測していないこと」。 そして、元々、両生類の専門でもなく、フィールドの専門でもなかったこと。 また、形式上3年;実質1年ないし2年の極端な断片的なデータで結論をこじつけたこと。 特に、1月中にも、日最高水温が4℃を超えるのは、たびたび有り、5℃さえも超えるという事実を 想定・推測できなかったこと=K氏はフィールドワーク専門の人ではないから。 ◎ 普通なら、小学生でも、計測時刻を一定にする; 中学生なら、日最低・平均・最高を区別する; 高校生なら、計測場所に注意を払い、複数の流域で計測するでしょう…。 けれども、草野氏の場合、「計測時刻が一定でなく」、「日最高・最低・平均も区別せず」、「毎日の計測 でもなく」、「計測場所にも注意を払わず」、…ありえない。 ⇒ これは、草野氏に、「沢の水温などには、日較差などはほぼないはず;そして、同じ沢なら、どこでも 同じ温度のはず。なので、何時に計測しても、どの流域でも計測しても同じだろう」という、 とんでもない思い込みがあったからです。 ◎ 更に付け加えて言うなら、多少の自然・野外の知識のある人ならば、「一部の水温データから、 1月に4℃超になることも普通にあるはず」とわかるはずなのに、草野氏は、何をかいわんや…。 ※ 上述の私の草野氏への質問の返答を確認した後に、私が、 「先生(草野氏)、沢の水温にだって、日較差があるんですよ。最低水温・平均水温・最高水温の区別を しないとまずいですよ。少なくとも、計測時刻を一定にしないと。」と言った所、いきなり、逆切れされて、 「そんな細かいことを調査してんじゃないんだよ!」と一喝されたわけです。 私は心の中で、「ふざけるなよ! だったら、何で4℃なんだよ! 5℃でも10℃でもいいじゃねえか! 4℃の根拠なんて何もないじゃん! ただの作文・小説じゃねえか!」と、思ったのです。 ※ この草野氏の、まともな小学生でも書かないような、形式上の論文を、一般の人が見たら、驚くはずです。 ★ もっとも、私が最初に強い疑念を持ったのは、草野氏の論文の中身を読む前になんです。 「低山地の五日市の沢で、『4℃』で動き出す」って、おかしくないか? 1月でも、水温が4℃前後か それ以上の日なんて、普通にあるんじゃないか?」と思ったからです。 ⇒ 実際、そうでした。1月に4℃超なんて日はもちろん、5−8℃にもなるけど動きません。 重要なのは、当日の水温上昇(5℃)よりも、その開始日までの日積算温度だったのです。 普通、山や渓流の自然のこと等をある程度正しく理解している人は、そう思うはずですよ。 ただ、論文の中身を見て愕然としたのです。何から何まで、確固たるデータ無しでの推測で、 数多くの結論を書いていた作文だったから。 | |
E.日最高水温5℃で行動開始後、4℃以下でほぼ停止; 3℃以下で完全中断する ⇒ 詳細は、「5.文献・資料のE(英文)」の中で、『中断水温』について英文で記述 ★ 草野氏の論文や一部の書に「水温4℃で行動開始した後は、その後は4℃以上の水温が必要と 言うわけでは無い(=4℃未満になっても繁殖行動を継続する)」と記述していますが間違いです。 ⇒ 草野氏が、推測で、そう思い、記述しているだけのこと。 もちろん、草野氏は、何らか裏付けるデータがあり、統計的解析しているわけでもありません。 ★ 私が、英文:文献Eの中で、中断温度の調査データ・統計値を示しています。 | |
F.冬の産卵移動行動は、降雨・降雪と相関関係にある ★ 草野氏の論文で、「ナガレタゴガエルの繁殖行動(冬の産卵移動行動)と降雨・降雪との 相関関係はない」と断定的に記述いていますが間違いです。 ⇒ 前述の様に、草野氏が、推測で、そう思い、記述しているだけのこと。 もちろん、K氏は、何らか裏付けるデータがあり、統計的解析しているわけでもありません。 ★ ただし、強い相関があるわけではない。 2つの点で相関関係にあることがデータで判明しています。 <1>. 毎年、行動誘発水温5℃への上昇は、 A.「移動性高気圧の晴天で気温が上昇して水温が 5℃超 or 春一番型で暖気が入り、曇りだが気温上昇で水温5℃超」; B.「低気圧通過の降雨により 沢の水温が一気に5℃超に上昇」、基本、A・Bのどちらかによります。 そして、私の調査地:東京都桧原村や太平洋側の地方の場合、50%強の割合で、Bの理由に よって、水温5℃超になるのです。それゆえ、「降雨によって、繁殖行動が誘発される」といっても あながち間違いではないのです。 <2>. 降雨や融雪で増水すると、結果的に・表面上、活動が増します=トラップに入る数が急増する。 これは、やもえず、カエルが流されてしまうから。ただし、あまりに大雨での増水時には、水温は 高くてもカエルは完全に隠れて行動せず、トラップにも入りませんが。 かように、トラップに入る個体数データで解析すると、明らかに、降雨と相関するのです。 ◎ 最もおかしい点は、本来なら、数年〜長年のデータがなければ、推測も結論も出せないようなことを、 草野氏は、実質1年ないし2・3年だけの、しかも、極端に断片的なデータだけで、さも10年以上は 調べたかのごとく、断定的な文章で結論を書きまくっていること。論文の中身:実質データ無しの 実情を知らない人は、信じてしまうのですよ。草野氏は、生来の、悪意無き詐欺師のような性格だから。 ◎ 元々、DEFGの様なテーマは、数年・長年の調査をしなければ、有効なデータなど取れないのです。 | |
G.ペアが長い間(数日〜数週間も)産卵せず移動しているのは、『超難産』のため ★ 草野氏の論文や一部の書に「ナガレタゴガエルのペアは、良い産卵場所を探すために、長期間、 ペアを継続し、沢を下流へと移動する」と記述していますが、間違いです。 ⇒ K氏が、何も根拠などないのに、勝手なこじつけの理由として、そう思い、記述しただけのこと。 私は、これまでに、何と1,000以上のペアで、水槽内での産卵を観察してきました。 そして、産卵行動(時刻・産卵数、等々)の調査のため、現地で多数(200以上)の水槽に、 1ペア・1水槽で観察すると、よくわかるのです。 ◎ どのペアもすみやかに産卵は試みるのです。何度も産卵しようと特有の体勢になり、何度も体を そらせ・きばるのですが、多くのペアが産卵できない『超難産』なのです。 全く、『人間の超便秘状態』と同じなんです。 ◎ 一方、この『超難産』とともに、興味深い特徴は、「ある多くの♀が産卵する場所で産卵できないと、 普通は、そこに何日も留まって、産卵を繰返し試みれば良いと思うのですが、ナガレタゴガエルの 場合は産卵できないと、その集団産卵場所に留まらず、下流へと移動して別の集団産卵場で 産卵を試みる」、ことを繰り返す傾向にあるのです。 ◎ この下流へと移動し続ける理由の一つには、♂の抱接解除があります。 あまりに長く、♀が産卵できないと、♂は、いったん♀への抱接を解除してしまうのです。おそらく、 疲労が激しいために。このこともあり、産卵できなかった♀は、再度、下流へ移動することになるのです。 ★ また一方、『生息地の流域の特徴』 & 『産卵場所』の特徴をきちんと知っていれば、沢には、 『産卵に適した良い場所』など、腐るほどにあることがわかります。 ★ 繰り返しますが、「ナガレタゴガエルのペアは、良い産卵場所を探すために、長期間、移動する」 とは、毎度のごとく、草野氏が、こじつけの理由づけのため、根拠も無く推測した虚偽内容です。 草野氏は、その当時、『♀の超難産』&『産卵場所がどういう所なのか』のことを、全く知らなかった ため。 知っていたならば、ペアが長期間、産卵できない理由など、わかったはずですが…。 ⇒ 良い産卵場所などいくらでもあるし、何度もすみやかに産卵を試みるのですが、「排出できない =超難産≒超便秘状態」のために、結果的に長期間、移動するのです。 | |
DEFG補足: ナガレタゴガエルの求愛方法タイプ ⇒「待ち伏せるタイプ」です。 「鳴き声やディスプレイで♀を誘因するタイプ」ではありません
★ 「ナガレタゴガエルの♂は、産卵期には水中で盛んに鳴いて♀を誘引している」と、一部の書物や ネットで記載されてますが間違いです。 筆者も、先入観から、当初は、このような推測をしていましたが…。 『長年の観察』&『テレビ放映のための複数回の水中マイクでの観察』等々から、わかりました。 ◎ なぜ、「水中で盛んに鳴いて♀を誘引している」と勝手な間違った推測がされまくったのか? 主な理由は2つ: @.水槽内に入れた個体の鳴き声による先入観: 水槽内に複数のペアや♂を入れ観察した時に、 「♂が♂に抱接した時の解除コールが目立つため」 & 「ペアに、他の♂やペアが接したり・抱接しよう とした時の解除コールが目立つため」 & 更には、「抱接してる♂が♀に産卵を促すために、♀の 腹を♂の脚でこすりながら♂が鳴くのが目立つため」、です。 これらの鳴き声の印象が強く、先入観となり、野外の水底では、♂が盛んに鳴いて♀を誘因している はずと、勝手な決めつけをするのです (私も最初はそう推測していた…)。 A.多くの研究者・観察者の先入観: @のような水槽の観察等をしていない、全くナガレタゴガエル のことを知らないような研究者も、勝手な固定観念:「カエルは鳴いて♀を誘引・求愛するものだ」と 頭にあるため、さも自分で見たかのように・調べたかのように、決めつけた断定的文章を書くのです。 ★ A.「ナガレタゴガエルは、90%の♀が秋〜冬眠期明け直前までにペアリングが完了する」 ⇒ 秋〜冬眠期(非休眠)に、♂が鳴いて誘因しているわけではない; B.「生息地は、水の流れが早く、流水の音が大きく、鳴き声は、ほぼ役に立たない」; このA・Bからだけでも、「産卵活動期には、ナガレタゴガエルの♂が、水底で盛んに鳴いて ♀を誘因している」といった内容がおかしいことは明らかです。
◎ 第一、野外で、じーっくり観察していれば、わかりますよ:鳴いて♀を誘因などしていないことが。
◎ ちなみに、カエルの求愛行動には、主に、<1>.「♂が盛んに鳴いて♀を誘引するタイプ」; <2>.「♂は鳴かずに、毎年の恒常的な決まった繁殖地で♀を待ち伏せるタイプ」; <3>.「鳴き声では無く、♂が独特なしぐさによって♀を誘因タイプ」があります。 日本に住んでいると、とかく身近なアマガエルなどの鳴き声が目立つために、カエルは必ず、 「♂が鳴いて♀を誘引する・♀に求愛する」と先入観を持ってしまうのです。 しかし、「♂が鳴かず、毎年決まった繁殖場所で、『♀を待伏せ』しての求愛タイプ」の種も多いのです。 特に、ナガレタゴガエルと似た生態の世界のカエルでは。 また、中南米の山間部のカエルなどは、 ほとんどが、「鳴かずに待伏せするタイプ」なんです。 もちろん、ナガレタゴガエルは、全く鳴かないわけでなく鳴きます(弱い鳴き声は出します)。 それどころか、何と、陸上で大きな音で鳴くこともあるのですよ。詳細はここでは述べません。 |
★H.産卵時刻:
ほとんど夜間:日暮れ〜夜半に集中
「日中に産卵するのが普通」のごとく記載されているものもありますが、全くの誤りです。 ★I.産卵場所: 『主要な場所は、人が目視不可能な、大きな石や岩の下のすきま; 石・岩の裏に付着させ産卵し、多くの個体の産卵により卵塊が密集します。』 「水底の枯葉の上に産卵するのが普通」のごとく記載されているものもありますが、全くの誤りです。 ◎ とある観察者が、「たまたま、日中に、『水底の枯葉の上などに産卵しているペア』を見つけ、 それが一般的現象と決め付けて、勝手気ままに断定的に記述したものが、流布しているのです。 人目に付く場所・時間に産卵するのは、『氷山の一角』: 超々イレギュラーな産卵の場合です。 ◎ 野生動物に対する正しいものの見方をできる観察者・研究者なら、人目に付く場所・時刻での 産卵などは、超ウルトライレギュラーな行為であると推測できるはずなんですが…。 ≪産卵時刻≫: 基本は夜間の18時〜午前2時頃: 特に20−24時頃に集中 ★ 私の3種の調査結果から、「産卵は20−24時頃に集中;基本、夜間に行われる」とわかっている。 <1>. 産卵行動に限らず、元々、日水温の値に影響を受け、最高水温の15時以降に活動が増し、 16―24時頃が活動ピークになることがわかっている。◆→【5.文献・資料のE・F】参照 <2>. 野外でのネットトラップでの捕獲時には、産卵後の♀も入るのですが、その時間帯からも、産卵は 「夜:20−24時頃に集中する」とわかっている。 <3>. 調査地のロッジに約200の水槽を搬入し、1ペア・1水槽で、なるべく、調査地と明るさ・温度を 同じにした調査でも、産卵は「18時ー夜中2時頃」に集中した。(これまでに1000ペア以上観察) ごくごく一部は、日中に産卵したが、これらのペアも、基本は、まず夜間に産卵を試みた。 ◎ 当然のことながら、水温の高い時間[=夕方〜夜半]&[暗い時間帯]に産卵するわけである。 ≪産卵場所≫: 人が目視できない、沢の石の裏・岩の裏、等のすきまに産卵;卵塊が密集する。 ◎ 私は、これまでに、100〜200以上もの卵塊が密集して産卵されている場所を3カ所だけですが、 偶然、確認(発見)しています。 (※ 通常は、こういった場所は、陸上からは目視不可能。) もちろん、数卵塊が正常に大きな石の下や岩の下の側面に産卵しているのは多くの場所で目視して いますし、淵の底にある卵塊=イレギュラーな産卵による卵塊は、毎年、産卵ピーク期以降では、多く の淵で目視しています。けれども、これらの卵塊は、全体のごく一部にすぎません。 ◎ 一つの沢に1万〜数万〜十万匹以上の♀が産卵するのです。 ⇒ このこと=【莫大な生息数の事実】を知らないと、目に触れたことだけが全てのように、錯覚して しまいがちなのです。 野生動物:特に被食者(エサとなる側の動物)は、なるべく、人目に付かないように行動し、特に、 産卵時には人目につかないようにするものなのです。 ◎ 結果的に、人が目にする・目にできる卵塊は、以下の@ABの場合です: @.超イレギュラーに淵の水底で下痢便状態で産卵された卵塊;⇔【超難産】のため A.きちんと石の下のすきまに付着せず、(全体もしくは一部が)ちぎれて流されてきた卵塊; B.たまたま目視できてしまう、大きな石や岩の下や側面に正常に産卵された数卵塊。 ただし、大多数: 90%以上の♀は、人が目視できない場所に、集団(数十〜200卵塊)で産卵します。 ◎ 重要なことは、流れの速い場所で繁殖する種は、カエル(カジカガエル・ナガレタゴガエル・ タゴガエル)だけでなく、渓流底生魚のカジカ、等も、卵塊は、流されないように、特に、増水時の 激流にさえ流されないように、石・岩の裏のすきまに付着させて産卵するのです。 基本的には、人目に付く・流されるような場所に、産卵などしません。 ◎ そして、タゴガエル・カジカガエルと大きく異なるのは、大きな石・岩の下の隙間に、数十〜200匹 もの♀が、卵塊を付着させること。このことも、日本のカエルでは、ナガレタゴガエルだけの特徴です。 ◎ この1か所に、100−200もの卵塊が付着している様は、壮観でもあり感動します。 けれども、基本的には、陸上・空中から、目視はできません。 ◆→【5.文献・資料のB】参照 ある幾つかの条件が重なった場合に、運よく、陸上からでも、100-200の集団卵塊を目にできます。 ◎ 実際の【生息数】から逆算すると、ほとんどの産卵は、全く人目に付かない場所と推測できます。 更には、水槽内で産卵の様子:産卵時の姿勢・卵塊の付着のさせ方を観察すれば、明らかに、 「カジカガエルや渓流の底生魚のカジカの産卵と同じ」で、「石の裏・岩の裏、等のすきまに産卵 している」のは間違いないと推定できるのです:実際そうですが。 ◎ そして、実際の野外調査から、多くの産卵場所では、100−200匹位の♀が集中して産卵し、 卵塊が密集することがわかっています。 ★ つまり、【実際の♀の生息数】から逆算すると、【100以上もの卵塊が密集する産卵場所】が、 1つの沢の数kmに100ヶ所位:50mにつき1カ所位あるはずなのです。 ※ 野外では、どうしても、特に、産卵期の後半から、淵の底の枯葉の上などに、卵塊が目立つように なります。だいたい、大きな淵では、2・3の淵あたり、1個の卵塊はあるのではないでしょうか。 それらは、何度も何度も産卵を試みて出せなかった♀が、やもえず、イレギュラーな状態・姿勢で 産出した卵塊にすぎません。 『超難産』のため、やもえず、ごくごく一部の♀が、下痢便状態で、 水底の砂利・枯葉の上、に出してしまうのです(本来なら石などに付着させなくてはいけないのに)。 ※ 結果的に、人が陸上・空中から目視できる・できてしまうのは、こういった超イレギュラーな♀による 淵の水底での産卵なのです。これを見た人が、あたかもこれが通常と早合点するのです。 ※ 筆者のこれまでのデータから、水底・枯葉などの上に、やもえず下痢便状態で産卵するのは、 全体の1%位; 日中に産卵する個体などは全体の0.5%以下と思います。 ◆→ より詳細は【5.文献・資料のB・C】参照
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★J.産卵数(蔵卵数): 『平均180個ほどです。(130-300個)』 いまだに多くの図鑑やネットのサイトで、「平均130個: 50−170個」といった、奇怪な記述がなされて いますが、悪質な虚偽記載 → これは「単に野外で目立った卵塊の卵の数を計数した値」です。 ◆→ より詳細は【5.文献・資料のC】参照
◎ 重要な点は、以下の 特徴 1−5 を よく理解すること! <1>.「ナガレタゴガエルやタゴガエルは、複数の卵塊に分産卵することがある」 <2>.「野外で見られる、分離した多くの1卵塊は、付着していた石・岩からはがれたもので、1♀の 全体分ではない」 <3>.「野外では、石・岩の付着部からちぎれ流された、1卵塊の卵が50〜100個ほどの中途半端な 卵塊が、しばしば淵の底で確認される;特に繁殖期後半からは。」。 <4>. ナガレタゴガエルは、少しずつ卵を排出することもあり、結果的に、1匹の♀からの1対の卵のう (= 一般の人が目にする魚卵のタラコや数の子等が1対の卵のうの様に)が、そのまま外部でも 2卵塊の様になることがしばしばである。結果、宮下(1937)がタゴガエルで指摘しているように、 「1匹が産卵した1腹1対の2卵塊を2匹分として錯覚することが多い」。 ⇒ ちょうど、サンショウウオ類が1匹で1対:2つの卵塊を産出するのと同じこと。 ★ 調査開始当初、60cm水槽に数ペアを一緒に入れていた時に、きれいな楕円形の卵塊が、ペアの数 よりも1つ多く産出されていたことがあり、当初は、「たぶん、産んだ後に、1ペア分:♂♀1匹ずつが 水槽から脱走したんだな(ガラスをよじ登り、何度か脱走することがあったので)」と、勝手に納得して いたのです。が、こんなことが2度あり、「やっぱり、違うな。おかいい。きれいに2つの卵塊(1つの 卵塊が100個前後の卵)に分産卵しているペアがいるんだ…。」と、悟りました。 そして、数年後に、宮下のタゴガエルの論文(1937)を読み、より納得したのです。 宮下も、タゴガエルの産卵の観察で、私と全く同じ経験をしていたのです。 <5>. 更には、1卵塊で産出した場合でさえ、それは、ニホンアカガエルやヤマアカガエルの卵塊の 様なきれいな球形・楕円形ではないため、野外で日数が経過すると、結果、2卵塊にちぎれる ことがしばしばなんです(これは水槽内の流れが無い状態でさえもこうなる。ましてや、野外の 流れのある状況では、何をかいわんや…)。 ◆→ より詳細は【5.文献・資料のC】の多数の写真や図を参照 ◎<1>. は『超難産』に起因していますが、この内容をもう少し詳しく述べると: 腹内の全卵を、一度で1卵塊として、排出できる♀の割合は40%ほど(約600ペアの産卵観察から)。 一方、個体群全体の60%の♀は、下記の@〜Dのいずれかになる:↓ @.2つや3つの卵塊に日時を分けて分産卵する; A.最初に数個だけ産んで、後に多くを産んだり;8割位を産んで、残りを後に産んだりもする; B.全卵をバラバラと下痢便状に散乱させて産卵する; C.結局、産めずに死ぬ; D.産卵できずに結局♂が抱接を解除し、♀は腹がパンパンのまま春眠する。 ◎ 上記の特徴:<1>−<5>(超難産に起因)のため、真の産卵数(蔵卵数)を調べるには、 以下の2つの方法: A or B のみです。 A.最も正確なのは、「産卵期直前に捕獲した♀を開腹して計数」 (残酷にも思えますが) ⇒ 芹沢&芹沢(1990)が述べているように、本来、カエルの産卵数を調べるには、気の毒ですが、 「繁殖期に、産卵前の♀の腹を開腹する」しかないのです。 ※ ダルマガエルでは、この方法で調査されて報告されている(芹沢らによる)。 ヒキガエルやモリアオガエルのような、「1匹の全産卵数 ≒ 明瞭な1卵塊・1卵のうの卵数」と、 ほぼ明確な種の場合では、この方法:開腹せずとも、ほぼ正しい値のデータが取れるでしょう。 けれども、アマガエルの様にバラバラ産卵する種や、ナガレタゴガエルの様に数ヶ所に分産卵したり、 バラバラに産卵したりする種や、カジカガエルや中国のヤマアカガエルのように、石裏等に付着産卵 する種の場合では、確実に真の産卵数(蔵卵数)を知るには、このAしかないのです。 B.「十分な日数をかけて、【1水槽内に1ペア】で産卵させ、排出した全卵を計数」 この理由は、前述の様に、1水槽に複数のペアを入れると、 @.分産卵した時に、どれとどれと…の卵塊が、どのペアの卵かわかなくなるから; A.産卵中のペアに他のペアが接触してくると、産卵を途中でやめてしまうことが、しばしばあるから。 ⇒ ただし、超ウルトラ難産のナガレタゴガエルの場合、一見、腹内から全卵が排出されていると 見えても、数個〜十数個位が腹内に残っていることがしばしばある(開腹して何度も確認している)。 そのため、「十分に日数をかけて、全卵を排出させきる」必要がある。 ★★《 A & B 共通の注意点1》★★: 「使用する♀は、繁殖行動開始前の冬眠期に捕獲 or 繁殖移動行動の開始初日頃に捕獲した ペアの♀に限定すること!」 ⇒ なぜならば、ナガレタゴガエルの場合、繁殖期ピーク期以降では、既に数個〜半分の90個位を 産んでいる♀の場合が多く、これらでは、当然、ずっと少ない値になるためです。 ◎ この注意点を守らないと、正しい値はわかりません。 ⇒ 統計学なんて、嘘を付くためにあるようなものです。 サンプルをうまく操作すれば、いかようにも、結論を操作できますから。 ★★《 A & B 共通の注意点2》★★: 「年に複数回産卵する種の扱いに配慮すること!」 ⇒ 元々、上述の芹沢&芹沢(1990)らのダルマガエルの詳細な研究での重要な焦点・テーマが、 「ダルマガエルが1シーズンに2度産卵すること」でした。つまり、このことをきちんと考慮しないと、 1匹の1シーズンの産卵数がわからないこともあり、適切な時期に開腹調査したのでです。 世界のカエルでは、ダルマガエルの様に(特に春の終わりから夏にかけて産卵する種においては)、 「1シーズンに、繁殖期が複数回ある:体内での卵成熟期が複数回ある種」、すなわち、 「1シーズンに、全く別の時期に複数回(例:夏の初めと終わりの2回)産卵する種」が知られています。 ちょうど、「オオカマキリが秋〜冬にかけて、3−5回産卵するかのように」。 ※ ただし、誤解しないように! ナガレタゴガエルの場合は、「同一の産卵期中に、同日にor数日かけて、複数の卵塊に分産卵する」 のであって、「ダルマガエル等の場合は、全く別の時期に:2度に渡り産卵する」のです。 ★★《 A & B 共通の注意点3》★★: 「ごく少数(5−10%ほど)の、早熟2歳♀の扱いに配慮すること!」 ⇒ ナガレタゴガエルやヤマアカガエルでは、ほとんどの♀は生誕3年目に性成熟し産卵しますが、 ごく少数の♀は生誕2年目に性成熟し、満2年で産卵します(全♀の5−10%: 年度により異なる)。 この早熟2歳♀の場合、『産卵数』&『卵の大きさ』が特殊なのです:ナガレタゴ・ヤマアカともに。 他の一般的な年齢の♀に比べ、卵が小さく & 例外的に極端に卵の数が少ない場合があるのです。 ◆→ 詳細は、【★5.文献・資料のC】
◆ もっとも、これまでの図鑑等に記載されているナガレタゴガエル・ヤマアカガエル等の産卵数には、
この2歳♀は含まれていません。皆、一部の小型の2歳♀が産卵することを知らないから。 それほどに、今現在の図鑑は、皆、いいかげんだということです。 ★ 上記の全ての注意点を考慮した上で、筆者は、これまでに合計5年度の研究で約700ペアで、 内4年度は、それぞれのペアを個別の水槽で産卵させ(一部は開腹し)調査してきました。 ※ 観察してきたペアは1000ペア以上。 ★ その結果、『産卵数』の概要: [標準的な♀(生誕3-6年)]:平均180〜185個;130-300個 [ごく一部の早熟小型♀(生誕2年)]: 平均135個;65-220個 [全♀(生誕2-6年)]: 平均175−180個;65-300個 標準的な♀で、これまでに、私が確認した最小の蔵卵数は131個; 最大でちょうど300個でした。 ★ ナガレタゴガエルの産卵数を科学的に調べたのは筆者だけなんです。 そして、日本のカエルの産卵数を科学的に調べたのは、ごく一部の種だけなんです。 ヒキガエル・モリアオガエル・ダルマガエル群&筆者のナガレタゴガエルのみなんです。 ★ 残念ながら未だに、タゴガエルやヤマアカガエルの産卵数は科学的に調べられていないんです。 ⇒ ヤマアカガエルは、ナガレタゴガエルと同様に一部の♀は2年目で性成熟し産卵するのに、それを 考慮して調べられていない、それどころか、産卵数の報告論文が無いのです。 ★《タゴガエルの産卵数》: ★ タゴガエルも、ナガレタゴガエルと同様に、「分産卵」 したり; 「卵塊が野外の自然状態で、日数の経過と共に分離」 するため、産卵数の調査は注意が必要です。 ⇒ タゴガエルの産卵数を正しく調査するには、ナガレタゴ・アマガエル等の多くのカエルと同様に、 「産卵前の♀」 を多数捕獲し、 「1ペアごと個別の水槽で産卵」or「開腹」しなくてはいけないのです。 ★ 野外の卵塊の卵の数で、ほぼ産卵数がわかるのは、 すなわち、「野外の1卵塊(1卵のう)の卵の数」=「1匹の♀のほぼ99%近い数」と推定できるのは、 ごく一部の種だけ(ヒキガエル・モリアオガエル・ヤマアカガエル・ニホンアカガエル等)ですから。 ★ けれども、タゴガエルの 「分産卵」 のことを報告していて、 かつ、 タゴガエルの産卵について、詳しく観察・調査し報告しているのは、宮下(1937)の報告だけなのです。 宮下(1937)は、長野県伊那でのタゴガエルの産卵について、分産卵のことをきちんと詳細に調査し、 「平均産卵数は200個ほど(149−242個)であった」と報告しています。 ★ 実際の所、「産卵数の調査は、タゴガエルの方が、ナガレタゴガエルよりも、はるか・はるかに難しい」 のです。 なぜならば、「産卵期初期に、未産卵の♀を大量捕獲するのが、極めて困難だから」 です。 [とても良い調査地=集団繁殖地で、かつ、容易に大量捕獲可能な場所] を見つけないと難しいのです。 宮下(1937)ら、一部の観察調査者のフィールドは、これに当てはまる場所なのですが、通常は…。 ★ その結果、全ての図鑑の [タゴガエルの産卵数の値] は、野外で採取した卵塊の卵数に過ぎないので、 実際の産卵数(蔵卵数)とは、かけ離れた値=「ずっと少ない値」 が記述されているのです。 ⇒ この理由は、ナガレタゴガエルの場合とほぼ同じ。分産卵のことを全く考慮していないから。 ★ 上述してきた様に、草野氏が「ナガレタゴガエルの産卵数が、平均130個:50−170個」などという、 奇怪な値を報告記載したのは、野外で採取した卵塊を計数しただけだからです。 ◎ ちなみに、草野氏のナガレタゴの産卵数の虚偽内容の報告後、「ある1匹の♀の産卵数が180個だった」; 同様に「1匹の♀の産卵数が186個だった」という、ある2つの報告があります。 これらの報告は正しいのです ⇔ 方法が正しいから: ここでは詳細は書きませんが。 ◎ ごく一部の草野氏の様な人は、「野外の1卵塊:1つの塊の卵数=1匹の♀の全産卵数」と思いこむ・ 決めつけるのですが、あまりにも、あさはかすぎる。日本の両生類に関する記述は、皆、こんな感じで いいかげんな内容ばかりなんです。研究者が少なすぎて、ほぼ再検証されることがないから、最初に 書いた者勝ちみたいな状況になり、半永久的に正しい内容に訂正されもしないのです。 ◎ 今から80年も前の宮下(1937)の様に、真面目に・科学的に調査している人もいれば、 何から何まで捏造=でっちあげ=推測で報告する草野氏の様な人もいるわけです。 そして、宮下氏の報告は、他の誰よりも詳細に調査し報告されているのに、取り上げられないのです。 ◆→ 詳細は、【★5.文献・資料のC】
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★ 卵径(卵の直径)は、平均3.1−3.2mm(3.05-3.35)ほどです。
特に早熟の2才♀では約2.8mmで、3mmになど決してなりません。 『3.6mm』だとか、『4mm』だとかの、不適切な記載がされていますが誤りです。 ◎ その理由は: 下記↓。 ◆→ 詳細は、【5.文献・資料のC】 ◎ 「大きい」ことが特徴のため、どうしても、「より大きくして報告したい」と、バイアスがかかるのです。 ◎ 決定的問題点は、「球形の卵といっても、『どの発生段階の卵の大きさ』なのか?」 ということ。 ⇒ たいていの人は、「同じ球形の卵なら、発生が進んでも、大して、大きさは変わらないだろう」と、 間違った考えを持っているのです。 ◎ 両生類の卵は、受精後、発生が進むにつれ、同じ球形であっても顕著に大きくなるのです。 ⇒『卵割で細胞が殖え』 & 『胞胚・のう胚と進行するにつれ中に腔(穴)ができ』、大きくなるのです。 けれども、【発生前の卵】と【神経胚など発生の進んだ胚(卵)】を同時に見ないと、大きさの変化には 気づかないものなのです。写真で、同時に見たら、大きさが違うことに、驚きます。 正直言うと、私も、最初は、「それほど変わらないだろう」と、タカをくくっていたのです。けれども、 初期発生の観察のため、長期に渡り詳しく、実体顕微鏡で観察・計測していて驚いたのです。 同じ球形でも、『受精卵⇒神経後期・尾芽杯杯初期』で、 約15%も直径が増す・大きくなるのです。 ★ 爬虫類の卵の場合も、受精卵では発生が進むと卵殻ごと顕著に大きくなります。 ⇒ 例えば、身近なカナヘビの場合で、正常に受精した産卵直後の卵と、数日後の膨大した卵では、 明らかに大きさが異なりますよね。それと同じことです。ナガレタゴガエルの卵を3.6mmなどと 報告している人は、野外で発生がずっと進んだ卵(胚)の大きさを言っているだけのこと。 もちろん、産卵直後・受精卵とは、全く大きさが異なりますから。 ◎ 『産卵直後の受精卵』〜『2細胞期・4細胞期』の頃では、3.1mmほどなんです。 ⇒ けれども、卵割・発生が進み、のう胚・神経胚初期では、3.3mm; 更には、 神経胚後期〜尾芽杯初期の頃では、まだおよそ球形でありながら、約3.5〜3.6mmになるのです。 ⇒ その上、ゼリー層に包まれた状態では、若干、拡大されて見えるのです。 ◎ 特に、<1>.「ナガレタゴガエルの卵・卵塊の場合、野外では、産卵直後の卵を見かけることが少ない」 & <2>.「受精卵〜胞胚期までは、あっという間:1日ほど;神経胚までもあったい間のため、野外で みかける卵塊の卵(胚)は、たいてい、灰色の【のう胚〜神経胚後期】の頃か、それ以降の胚である」 この<1>.<2>. のために、多くの人が、【神経胚〜尾芽杯杯初期】の頃の直径を報告しているんです。 かつ、若干、大きめに誇張して報告している結果、3.6とか4.0mmという値になるのです。 ◎ たいていの種のカエルの場合、産卵直後の卵塊が確認され、[ほぼ産卵当日ないし翌日の卵]で、 大きさ:直径が、計測されるから問題ないのです。 ★ けれども、ナガレタゴガエルやタゴガエルやカジカガエルの場合、 野外の自然状態では、人目に 付かない、石の裏など産卵するために、産卵直後の卵塊を手に入れることは、ほぼ不可能なのです。 ⇒ これらのカエルの【いわゆる正規の卵の大きさ】の計測をするためには、 =[受精卵〜4細胞期位の卵]を手に入れるには、以下の2つの方法のいすれかによるのです。 <1>. 水槽内で産卵させ、かつ、常時、注視していて産卵直後の卵を計測する。 <2>. 産卵期の産卵前の♀を開腹し、腹内の卵を水につけ、通常に膨潤させた未授精卵を計測する。 筆者は、合計約1000ペアで、基本、個別の水槽で産卵させ、多数の♀の産卵直後の卵(胚)の データを取り、研究したのです。 ★ [産卵直後=未卵割卵] or [産卵前の♀を開腹し、卵を水につけ膨潤させた未受精卵]を 用いて、ナガレタゴガエルで、調べたのは筆者だけなのです。 |
★L.ナガレタゴガエルの幼生は、平均全長30mmほどになります。
◎ いまだに、「ナガレタゴガエルの幼生は、成長しても最大で全長が21mmにしかならない…」と いった奇怪な記述をしている図鑑や書が多くありますが、悪質な虚偽記載です。 ★ [カエルの分類・形態のことを専門としている研究者] なら、幼生については専門でなくとも、 「最大でも21o にしかならない〜」が、「『作り話』である」とすぐに気付けるはずなのです。 ⇒ なぜならば、再調査:追試などせずとも、[変態時の子ガエルの体長]・[幼生の体長と尾長の比率」、 等々からの推定だけでも、『21mm』というのが偽り・ありえない値だと、すぐにわかることなんです。 理由:<1>. <2>. <3>. <4>. ↓ <1>. [変態時の子ガエル:8mm;(多くの観察者&この21mmと虚偽報告した者も記述)] & [最大時の幼生の体長:尾長=1:約3.0(体長:全長=1:約4.0);(私や複数の観察者の写真等から)] この2つの事実からだけで、実際に発生観察をせずとも、幼生の全長は約30o なのは自明。 <2>. [変態時の子ガエル:8mm]でありながら、 [最大時の幼生の全長:21mm]と仮定した場合、 どんな形状の幼生になるか想像してみてください。 ありえないのです。 <3>. 逆に、[最大時の幼生の全長:21mm]と仮定して、逆算すると、 [変態時の子ガエルの体長は、5.0〜5.5o位]となり矛盾するのです。 <4>. 実際、水槽で発生させ飼育すれば、皆、30o 前後になることがわかります。 ◎ いかんせん、日本には両生類の生態面の研究者は限りなく0に近く、かつ、「幼生の形態に関する 基礎知識のある研究者」も限りなく0に近い。その上、その数少ない、大学に籍を置く研究者が、 悪質な虚偽記載をしまくり、何の咎めも受けないのが、日本の実情だから。 それゆえ、悪質な虚偽報告・論文・図鑑、等が世間を席巻しまくっているのです。 ◎ 困るのは、一般の人には、「どれが事実なのか?」;「どれは、誰も調べずに推測で書かれていて、 かつ、内容自体が虚偽記載なのか?」等が、わからないのです。 本来、中心で正す立場にいる大学の研究者が、不正の中心人物だから。 その最たる内容の例が、『幼生の全長』と『産卵数』の内容です。 ◎ 「幼生が最大時でも、21mm」 だとか 「産卵数が50-170個:平均130個」といった 虚偽記載を堂々としている図鑑は、他の内容に関しても、全て信用しない方が良いでしょう。 ★ 補足: 狭い容器で、かつ、水替えをほとんどしないと、時に、最大全長22-23mm位にしかならない =『矮小化した・体長は同じだが、尾が極端に短い幼生』になることがあります。 ◆→ 【5.文献・資料のB】の中で写真付きで詳しく記述しています。
⇒ 特に、発生の過程を調査・観察しようとする場合には、実体顕微鏡で毎日:1〜数時間ごとに確認
する必要性から、必然的に、卵(胚)は、1卵塊ごとに小ポリカップ(直径10cm位)に入れ、 これを大型の恒温器に20〜30(別々の卵塊ごとに)入れてのでの観察することが普通です(私は毎年 そうしていた)。そして、他のことで忙しかったり、元々、ずぼらないいかげんな人では、水替えを しないのです。こんな小さな容器で、長期間、水替えをしないと、尾が発達しない矮小異常個体 ができあがるのです。毎日毎時間、実体顕微鏡観察することなどを目的とはせずに、せめて、小さな プラ水槽に入れていたなら、そんな異常個体にはならず、悪くても25−28mmにはなります。 ⇒ 私自身が、初期発生の観察調査3年目に、こういった手抜き:狭い容器で長期水替えせずでの 観察をしていたら、1卵塊で、こういった異常形状の22-23mm の幼生=体長は変わらず、尾だけが 短い、を作り出してしまったのです。 その時に私は、【最大でも21mmにしかならない】と報告したM氏は、間違いなく、「狭い容器で、全く 水替えせずに、たった1卵塊での観察で、全て異常個体を作り出したのだろう。もしも、虚偽報告を 連発した松井氏が、『少しはまともな飼育観察をしていたなら』;or 『数卵塊、飼育していたなら』; or 『この松井氏にカエルの幼生の基本的知識があったなら』、【最大でも21mmにしかならない】という 悪質な虚偽報告はしなかったかもしれない」と思ったものです。 ◎ ただし、十分な水替えをしたり、特に大きな水槽で飼育したなら、幼生は皆30mmにはなります。 ◎ 特に野外では、流れがあるため、野外の幼生は、相対的によりいっそう尾が長く・厚いのです。 ★ ⇒ 私は、調査開始6年目の春眠期捕獲調査時に、たまたま運よく、「野外の沢の水中=自然状態 で成長した、最大成長時に近い幼生」を捕獲したことが、たった一度だけあるのですが、その時、 驚いたのです。室内の水槽で発生させた幼生と、尾の状態が全く異なる・厚く長いのです。 ま、当然ですね。野外の自然状態の水中では、流れが速く、かつ、ケイソウ等の何らかの食物を 充分に食べているのですから。 ◎ 推測ですが、野外の幼生は、最大全長は、平均32mm 位になると思います。 なぜならば、 「野外で常時、流れの速い自然状態で成長」 し、かつ、 「常時、ケイソウなどを食べている」からです。 | |
★M.「幼生は、何も食べずに、変態し子ガエルになる」は間違いですよ! ★ [タゴガエル] についても、一部の図鑑や現在の Wikipedia には、「幼生は何も食べずに変態し 子ガエルになる〜。」 と堂々と書いていますが、間違いですよ! ★ [ナガレタゴガエル]&[タゴガエル]の幼生は、普通に、採食します! ⇒ ただし、飼育下で、「タゴガエルやナガレタゴガエルの幼生は、特にエサを与えずとも変態して、 子ガエルになれるのです」。そして、このことは、「タゴガエルでは、はるか昔から」; 「ナガレタゴガエルでも、30年以上前から」、 知られ報告されています。 ★ ただし誤解しないように! 一部の書やサイトでは、都合のよい解釈でバイアスをかけて、 「ナガレタゴガエルの幼生(オタマジャクシ)は、『何も食べず』に成長し子ガエルに変態する」 と記載していますが、間違いですからね! ⇒ これらは、前述した様に、単に、「何もエサを与えず、放っといたら、変態して子ガエルになった」というだけで、 「調査・実験で、何か様々、餌を与えた所、『餌を食べなかった』」ということではありませんから。 ◎ 「エサを与えなくても(与えた時に比べ成長状態が悪いが)、変態し子ガエルになれる。」 というのが正しい表現です。 もちろん、エサを与えれば、普通に食べます。当然です:口器も内臓も通常に発達した幼生だから。 私は、ほぼ同時期に飼育していた、ヒキガエルやヤマアカガエルなどのエサをナガレタゴガエルの 幼生に与えたら、当然、普通に食べ、普通に、多数の脱糞をしました。 野外では必ず、沢の水中の石・岩の表面のケイソウ等を盛んに食べています。 ◎ 元々、卵黄の多いタイプの卵:ナガレタゴガエル・カジカガエル・モリアオガエルなどは、この卵黄を 栄養として、相当の段階・大きさまで成長できます。特に、最も卵黄の多いモリアオガエルでは。 ◎ 実は、この虚偽内容「何も食べない」の出所も、「〜21mmにしかならない」と報告した松井氏なのです。 私の推測ですが、M氏はむちゃくちゃずぼらな性格の人ですから、おそらく上述の様に、「狭い容器で、 水替えせずに、たった1卵塊の卵だけで観察した結果、尾が発達しない異常個体を作り出してしまい、 『最大全長21mm』にしかならなかった。その上、ずぼらで手抜きだから、餌を与えようとは思いもせず、 ほったらかしていたら、そのまま変態した」というのが実情のはずです。 つまり、餌を元々、与えていない・与えようともしていない、だけです。 松井氏とは異なり、まともな人間なら、まずは何か餌を与えてみよう・野外では何を食べているのか?と 思うものなのですが、…。松井氏は、ちょっと特殊な性格だから。「『何も食べない〜』ではなく、M氏が、 ほったらかして、餌をあげもしなかったら、それでも、変態して子ガエルになった」だけのこと。 ★ 1978, 1987年に、松井氏&草野氏の2名が、きちんと調べもせず推測で、ナガレタゴガエルの偽りの 内容を、多数、断定的に記述しまくったことで、現在、多くの図鑑・Wiki. などが、偽り記載だらけに なっているのです。なぜなら、ナガレタゴガエルの生態面のほぼ全ての内容は、この2名の論文 もどきの内容が、そのまま転記されているのですから。 その後、私が、著名な国際誌の論文で、彼らの記述内容を正式に否定していても、残念ながら、 私の様な身分地位が無い者では、何を言っても、図鑑の出版社などは相手にしないから。 内容が事実かどうかでなく、記述した人間が大学に籍を置く者かどうか、が重要視されるから。 | |
★N.幼生の【歯式】について: ※この内容は一般の人には、わかりにくいと思いますが…。 ◆→ 【5.文献・資料のB】の中で写真付きで詳しく記述しています。
◎ 松井氏が、「ナガレタゴガエルの幼生の【歯式】は、 安定していて、 【1:2+2/1:2+2】である」と記述してますが大間違い。 ◎ ちなみに、【1:2+2/1:2+2】とは、上唇(うわくちびる)の歯列(歯の並び)が3列/下唇も3列を 意味し;[2+2]とは、2列の歯列は、真ん中で別れている(分離しつながっていない)と言う意味です。 ◎ 一部の図鑑は、これをそのまま転記しているのですが、当然、大間違いです。 ⇒ 上記LMと同じ理由です: 松井氏の思い込み;方法がおかしく、松井氏に予備知識がなかったため。 松井氏が、「きちんと毎日・数時間、実体顕微鏡で観察することをせずに」 & おそらく「1卵塊のたった 数匹での観察であった」ために、このような、おかしな・有りえない記述をしているのです。 ◎ 【5.文献・資料のB】内でも記述してますが、この歯式に関しては、詳しく・正しく、研究報告 されているものが少ないのです。日本では、本郷(1974,1977,1978);岩澤(1975);岩澤・川崎(1979); 岩澤・二上(1992)等々位。 ★ そして、とてもとても詳しく調査し報告しているのは、本郷の報告のみ。 本郷氏は、複数の種の幼生を長期に渡り実体顕微鏡で観察し、まるでほぼ2・3週間は寝てない のでは?としか思えないほどの調査によって、しかも、各種のカエルの幼生(オタマジャクシ)の 歯式の様式の変遷:成長・退化の過程を、膨大な図表で示しています。 ★★【カエルの幼生の『歯式』で重要なこと】は、 「どの種の幼生でも、同一個体での、成長・退化での変遷の過程が、非常に複雑で毎日の様に 少しずつ変遷する: どの種でも、各列の歯列が同時に成長・退化するのではない」ということ。 例えば、「まず1列目が出始め;次に2列目;そして、1列目が完成する頃に3列目が出てきて、 3列目が完成する頃には1列目が退化・消失している」ということなんです。 しかも、このような変遷が、上唇と下唇でも異なるのです。また、1列が、途中から、中央が欠けて [1+1]になったりするわけです。そして、もちろん、肉眼では観察できません。 ★★更には、とてつもなく大変な理由として、幼生の口器をじっくり見るには、 「何らか工夫し、幼生を逆さまの姿勢に固定し、口の部分を拡大して見なくてはいけないということ」。 これ=[逆さまの姿勢で固定]が、大変なんです。単純に顕微鏡で見れるわけでは無いのです。 鏡等を使うにせよ、固定するのが大変なんです。容易に、じっとしてくれないので。そして、成長過程を 観察しているため、弱らせるわけにはいかず、下手な弱い麻酔もできないので。 ◎ ゆえに、たった1匹の幼生を追跡観察するだけでも、大変なのに、比較のために、別卵塊の数匹の 幼生を追跡観察となると、ほぼ2・3週間、徹夜になるのです。 私も、これを計5年度(2年度は詳細に)実施し、毎年、体をこわしましした。ほぼ2・3週間の間は、 長時間(2・3時間以上)寝ることなど絶対に許されませんから、一人での観察の場合は。 少なくとも、一人での研究ならば、1シーズンでは、全く結論など出せないテーマだということです。 ★ 断定できるのは、松井氏は、LMの虚偽報告の件からしても、真面目に調査などしていない。 ⇒ たった1卵塊程度の卵で、小容器で、ほぼ水替えをせず、尾の発達異常の、矮小個体の 21mmにしかならない、幼生を作りあげ、かつ、毎日、1回程度の観察で、歯式を決めつけている。 松井氏の記述した【1:2+2/1:2+2】が最も長い時間存在する歯式だからです。 複数卵塊の卵で観察していれば、少なくとも、「21mmにしかならない」「歯式は安定している」 などの報告には至らないはずだから。 ◎ 第一、松井氏は、草野氏と同様、何もデータや写真や図など、一切示さず、結論だけ述べているのです。 「21mm」だとか、「歯式は安定して〜である」等々、勝手な推測で書き連ねるなら、証拠を示せよ! 図や写真;データと統計解析値を示せよ! 方法を具体的に書けよ! と言う話なんです。 ◎ 『方法』を具体的に書かず、『証拠: データや写真等』も示さず・統計解析もせず、断定的に結論 だけ書き連ねても、日本の両生類の学会では、審査が通ってしまうのだから、何をかいわんや…。 爬虫両生類学会の様な極端にマイナーな学会の場合、2000年以前の論文は、「早い者勝ち=早く 書いた者勝ち」の様な面があり、内容が正しいかどうかはどうでもよく、方法も証拠となるデータ等も 一切無しの、論文もどきが、審査を通り公式な論文として成立しているのです。恐ろしいことに。 有識者の第3者が見れば、虚偽・不正だらけの論文とわかるものが、ごろごろとしていますから。 ★ 結論: [私の観察] や [本郷のタゴガエルの観察] から、ナガレタゴガエル等では、歯列は少しずつ 発達した後、全体の完成(最大時)近くには、[1:2+2/2+2:1]、または、[1:2+2/1+1:2] になり、 最大時には、下唇が4列になり、[1:2+2/2+2:2]、または、[3+3/2+2:2] となります。 一部の個体は、上唇も4列:[1:3+3/2+2:2]になります。 野外では、おそらく、全個体が、上唇・下唇ともに、明瞭な4列のはずです。 そして、その翌日・2日後位には、再度、[1:2+2/2+2:1]、または、[1:2+2/1+1:2] になり、 その後、退化して、[1:1+1/1+1:1] の上下2列になり、その後、変態する前には消失します。 ◎ つまり、最大成長時の前と後で、【1:2+2/1:2+2(2+2:1)】になり、この期間が目立つため、M氏の 報告になったのでしょう。少なくとも、松井氏に予備知識:本郷の驚くほどの詳細な報告の膨大な図表を 見て読んでいれば、「歯式が安定している」などといった、ふざけた記述はしなかったでしょう。 ★ 元々、実体顕微鏡で良ーく見れば、上下唇ともに、4列の歯列の元(≒歯茎)があるのがわかります。 ◆→ 【5.文献・資料のB】の中の写真参照。 松井氏が、まともに実体顕微鏡で観察していないだけのこと。1シーズンだけの、いいかげんな作業で、 何もかも、適当な結論を推測で書き連ねただけだから。 本郷氏が見たら、嘆くでしょう。 ★ また、上述の様に、「流水生のカジカガエルやナガレタゴガエル等々の場合、大きな水槽 & 流水状況を作らないと、正常な尾にはならないし、また、歯列の発達も野外の様に成長しない。 野外の流水地では、尾が厚く長く成長し、口唇の吸盤・歯列も発達するのです。」と いうことを念頭におかなければいけません。 松井氏の単なる作文もどきは論外。 ◆→ L・M・Nについての、より詳細な説明は、【5.文献・資料のB・C】参照
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★補足:『人工繁殖』??? ◆→ 【5.文献・資料の@・B・C】も参照 ◎ 過去に(2010年頃?)、「ナガレタゴガエルの『人工繁殖に初めて成功した』などと、奇怪な情報が、 新聞やネットで取り上げられていました。この時の記事で、『人口繁殖』とした内容は、ただ単に、 「捕獲してきた個体をペアにさせて、水槽内で産卵させることに成功した」 という意味なのです。 ◎ ⇒ しかしながら、「多くの種のカエルにおいて、秋や冬眠期に捕獲して冬眠を継続させて、 それを ペアにさせて・産卵させて発生させ、子ガエルにまですることは、当たりまえにできること」なのです。 ◎ もちろん、ナガレタゴガエルでも室内水槽産卵など、1980年代後半から当たり前に行われ、 また、 近縁のタゴガエルでは何と1930年代から、室内水槽産卵など、当たり前に実施(=成功?)されて います。 ◎ 私自身は、1991年度から幾度となく実施 ⇒ これまでに1,000ペア以上で産卵観察実施しました。 これまで5年度の初期発生の観察のために、1万匹以上を、卵〜子ガエルとしてきました。 ◎ ナガレタゴガエルは、秋や冬に♂♀を捕獲し恒温器や冷蔵庫内で冬眠させ、2〜3月に水温を上げて、 ペアを形成させ産卵させること & 子ガエルまで成長させることなど、当たり前にできるのです。 ★ が、普通、「産卵させ、幼生を変態直後の子ガエルにまですること」を『人工繁殖』とは言いません。 ★ 『人工繁殖』というのは、少なくとも、「産卵させ、成体にまですること」であり、 通常は、「『継代飼育』が可能なこと・成功している状態」 =「人為的に産卵させた卵を成体にまで飼育成長させ、その成体同士のペアから産卵させられること」 です。 このことが、ナガレタゴガエルなど一部の動物種では、難しいのであり、誰も成功していないのです。 『餌』&『夏場』&『性成熟するまでの3年間の飼育』の環境の点で難点があるのです。 つまり、「変態後の8mmほどの子ガエルを性成熟した成体にするまでの3年間の飼育」に、幾つもの 課題があるからです。 少し、ライチョウの人工繁殖が容易で無いことと似ているかもしれません。 すなわち、『継代飼育』ができることが重要であり、大きな意味があるのです。 ◎ 両生類の研究者はとにかく少ない & マスコミ・メディアの一部の人間は、注目をあびたいがために、 裏を取らず・調べもせずに、偽り&誇張して書くために、世間一般に広まっている両生類の内容は、 嘘偽りが多すぎるのです。気をつけてくださいね。 |
★ ナガレタゴガエルの成体の体長(SVL)について:
◎ いまだに【♂の体長】を『39-“56”mm』と記載したままの図鑑やネットのサイトが多いです。 これらは全て、「日本カエル図鑑」が誤り内容記載をずっと放置しているからなんですが…。 元々、「日本カエル図鑑」にある、この“56”mmの値は、単なる転記ミス・記入・入力ミスなんです。 ◎ おそらく、産卵を終えた♀を♂と間違えて、記録している ⇒ 私自身、何度も、こういった経験がある。 一見、産卵後の♀は、♂と見間違えることがしばしばなんです。ただし、10月〜産卵前の2月頃では、 間違えることは無い。なぜならば、♀は、腹が卵でパンパンで、一目で区別がつくので。 あるいは、46mmを、56と書き違えた、のどちらかです。 ◎ 「56mm が間違いである」、ことの詳細な理由は、「5.文献・資料のB・C」参照。 ◎ ♂の体長(SVL)はどんなに最大でも、51mm強ないし52mm弱にしかなりません。 ⇒ 私がこれまで、捕獲してきた約14万匹のデータからでは。 ◆→ 体長・年齢・寿命・性成熟年令・個体群の年齢構成の詳細は、「5.文献・資料のC」を参照 |
★ 正しい内容の詳細は、「3.ナガレタゴガエルについて:特徴B」を参照
◎ ここでは、草野氏の論文や一部の書に「♀:♂は、1:1である」と虚偽記載されている理由について: あきれてしまうのですが、K氏の論文中のデータでは、♀:♂=1:3位で極端な♂バイアスなのです。 にもかかわず、彼は、結論として、「ナガレタゴガエル個体群の性比は、♀:♂は、1:1である。 実際の捕獲データでは、顕著な♂バイアスであったが(統計解析上でさえも『1:1ではなかった』と 記述している)、その理由は不明である」と、ふざけた文章を書いているのです。 私は、この論文のこの内容を読んだ時に、「何で、データや、統計解析で、明らかに1:1ではない、 となっているのに、結論として、『ナガレタゴガエル個体群の性比は1:1である』としているのか?」 と思い、日本語として意味不明で、「何でこれが、審査の通った論文として公表されているのさ! ふざけすぎ! あいた口がふさがらない」と思っていたものです。 ま、実質上、本人が審査している=無審査なのだから、何をかいわんやなのですが…。 ◎ 一方、前述の様に、私は、K氏とほぼ同所の沢で調査を開始・継続していたのですが、私の初年度の データからでも個体群の性比は、♀:♂=1:2〜1:3位で極端な♂バイアスでした。 それゆえ、草野氏の捕獲数のデータは極端に少ないものの、草野氏の性比のデータ(顕著な♂バイアス)は、 適切(=私の結果と同じ)だと認識していました。ただ、それなのになぜ、結論として、「1:1である」 などと結果とは真逆の訳の分からないことに持っていくのか、が理解不能でした。 ◎ 私が推測するには―: 草野氏は、「悪い意味で固定観念が強く、自分は世の中のことを何でも 知っている」かのごとくふるまうので、おそらく「通常の動物の個体群性比は、1:1なんだ」という強い 固定観念から、結論は絶対に「1:1」にしなくては論文にならない、みたいに思っていたようなのです。 捕獲データでは全く異なるのだけども。 もっとも、データは正直に載せているのは不思議ですが…。 「1:1」と強引な結論にしたいなら、普通は、データを不正に操作するのだけど…。 |
★ 草野氏が、「林から11月に渓流に移動した個体はその後余り移動せず水中の石の下で越冬する」
と記述していますが間違いです。 ⇒ 何もかも草野氏の推測による作り話。 草野氏は、元々、「冬の繁殖期に、水中を長距離、泳いで移動なんてするわけないだろ」 「まして、秋に長距離・回帰移動なんでするわけないだろ」と私に言いはなち・決めつけ、 調査などせずに、結論を断定的に書く人だから。 ◎<1>. まず、『林』と書いているが、夏にどこで生活しているかなど、草野氏は言うまでもなく、 私はおろか誰も調べてもいないので、誰にも明確なことはわかっていない。 <2>. 『11月』も間違い。草野氏による、勝手なデータ無しの推測での決めつけ。もちろん、11月とする 根拠などは、K氏には無い。 私の6年:14,000匹捕獲の秋移動の調査から、毎年、秋の移動開始=水中へ入り、流下移動開始は、 10月下旬です(早い年は10月中旬)。おそらく、標高の高い or 高緯度の低温地方では、毎年、 10月上・中旬に開始している。 <3>. 『移動せず〜』は大間違い。秋には、産卵期よりも、はるかに長距離移動する。 元来、冬に産卵するヒキガエル・ヤマアカガエルなどは、秋に繁殖場所≒冬眠場所へと長距離移動 するのは、世界各地のカエルの報告で明白。 <4>. 元々、草野氏は両生類が専門ではないから。大学の教員で地位があるがために、偉そうに知った かぶって、好き勝手言ってますが…。 ★例えば、草野氏は私に、「ナガレタゴガエルが春眠するわけないだろ!; ナガレタゴガエルが沢を長距離移動するわけないだろ!; 秋に移動なんてするわけないだろ!」と、両生類の事を少しは知る立場の者なら、間違いなく 知っているだろうことも知らずに、間違いだらけのことを平気で口にし、人をののしる人だから。 最初から、自分で調べることはせず、ごく一部の情報による間違った固定観念で、結論を決めつけ、 調査してデータを取ることをせずに、作文のごとく、データ無しで論文を作る人だから。 |
★ 草野氏がことさら強調して、「カワネズミが主要な捕食者である」としていますが、あまりに不適切です。
◆→ 【5.文献・資料のB】も参照
◎ 2月の産卵移動期に(秋の移動期も)、沢にネットトラップを設置し捕獲調査をしていると、結果的に、 ネット内にカワネズミが入ることは珍しくもないのです。そして、カワネズミがナガレタゴガエルを 食べた・食べようとした痕跡は、様々、確認できるのです。 ◎ それで、草野氏は、ことさらに、強調して報告記述しているのですが、おかしすぎます。 元々、草野氏は、ごく普通のことを『奇跡』と強調しまくり;1を100にも強調して報告する性格だから。 草野氏は、カワネズミがナガレタゴガエルを捕食することがある事実を知り、嬉々として、それが あたかも、『主要な捕食者』にしたてあげたのです、本人が注目されたいがために。。 第一、K氏が、カワネズミに捕食されたナガレタゴガエルを確認したのは、ごくわずか数匹のはず。 ◎ 主要な捕食者? ありえないわ! 笑わせるなって話なのだけど…。 ◎ 私は、これまでに、カワネズミを、26年間のネットトラップ調査で約30匹(ネットに穴をあけ逃亡した のは除く:実際に捕獲した数) & 冬眠期や春眠期での捕獲時にタモアミで2匹、結果的に・捕獲して しまいました。 また、日中:12時前後にも、沢の水底を泳いでいるのを3回目撃しています(カワネズミは、誤解 されてますが、日中にも盛んに行動します)。 カワネズミが入るトラップでは、毎日、逃亡時にネットに穴をあけられ、毎回、縫って補修するのです。 一方、流れの速すぎる場所に設置したトラップでは、カワネズミも、水圧に負け弱り、ネット内で 死んでしまいます。 かわいそうですが、今までに、このことで5匹、死なせてしまいました。 ◎ 結果的に、カワネズミがナガレタゴガエルの背中や腹をかじったような痕跡は、おそらく50匹位は 確認しています。ただし、これらは全てネット内でかじられたものです。当然、同じネット内にいると、 攻撃されやすいので。 ◎ けれども、カワネズミが主要な捕食者なんてことは、絶対にありません。 なぜならば、<1>. ナガレタゴガエルは、半年は陸上生活です; <2>. ナガレタゴガエルが、半年弱: 11月上旬〜4月中旬頃は、水中生活しているとはいっても、その内、いわゆる活動しているのは、 産卵移動期の実質2週間程度だけです; <3>. 相対的に見て、カワネズミの生息数など大した数で はない、一方、ナガレタゴガエルは莫大な生息数; <4>. カワネズミが捕食する主体は、常時、沢に いるヤマメなどの魚類や沢ガニ他の小動物です。 ⇒ まず、<1><2> から、カワネズミがナガレタゴガエルを捕食できるのは、1年間の内の2週間程度。 この2週間にしても、ナガレタゴガエルは多くの時間は、石の下や砂利の中などにもぐり、隠れて いるのです。 もうわかりますよね…。カワネズミが主要な捕食者なんてことは、作り話。 毎度、K氏の目立ちたがりの性格に起因してるだけ。 ◎ 私の調査の経験・結果からでは、明白かつ顕著な捕食者としては、『イノシシ』&『テン』です。 イノシシ&テンに食われかけの個体(死体)は、これまで、多数、確認しています。 [イノシシ]: 毎年、秋の移動期開始後、つまり、ナガレタゴガエルが沢の水辺等で、非休眠冬眠状態に なる頃:11月中旬〜産卵移動期〜春眠期:4月にかけて、イノシシが、沢辺を大規模にほじくりかえし、 ナガレタゴガエルを食べるのです。元々、イノシシは、日本全国で、秋〜春に、田んぼ周辺などを ほじくりかえし、アマガエル等を食べること;& 山中をほじくりかえし、サンショウウオを食べることは よく知られているのです。ですので、イノシシがナガレタゴガエルを多数、捕食するのは、全く珍しい ことではなく、いたって当然のことなんですよ。 [テン]: また一方、私は、これまでに、テン(黄テン)にナガレタゴガエルをさんざん食べられてきました。 秋〜春に、沢で夜にもっとも出会うのが、テンなんですが…。小ネットやビクにナガレタゴガエルを 入れて、沢の岸辺に一時的に置いておくなどということを、夕方や夜にしてしまうと、ほぼ100%、 テンに食われてしまいます。過去、5回ほどやられてしまい、もうこんなことはしません。仮に、夕方や 夜間に、一時的に野外に、留めておく場合は、必ず、バケツ内に入れ、ふたの上等を石でしっかりと 固定するようにしてます。 また、水量の少ない場所にネットトラップを設置した場合に、特に水位の低い年では、産卵移動期には、 テンがネットを岸辺に少しずらし、ネットをかじり、中に多数いるナガレタゴガエルを食べるのです。 ◎ 一方、いわゆる活動期:夏期の主要な捕食者は全く不明です。一応、「テン・タヌキ・ヘビ・野鳥」らが 考えられますが、それらが、どの程度捕食しているのか、等々、一切不明です。 |
★ 「3.ナガレタゴガエルについて」&「5.文献・資料(1)の最後の欄」でも記述している様に,
ナガレタゴガエルの『夏』については、
一切が不明 = 推測のみでの記述、なんです。
⇒ にもかかわらず、平凡社の図鑑などでは、毎度のごとく、草野氏が、「ナガレタゴガエルは、夏期には
林床で、クモなど土壌小動物を食べて暮らしている」と堂々と、あたかも、草野氏か誰かが調べたかの ように断定的文章で記述しています。天性の悪意無き詐欺師のような人だから、大学教員草野氏は。 ◎ 夏に関しては誰も調査をしていない=できえていないために以下のA−D等々、ほぼ不明です。 A.「主にどこで、生活しているのか?」不明: これは、次の@Aに分けて考えなくてはいけません。 @.繁殖活動後に、全成体が上流方向へ移動するのか & 本流源頭へが基本なのか? <1>. 多くの個体が、本流の源頭に遡上移動し、集結し生活?; <2>. 多くの個体が、本流の源頭 & 各枝沢の源頭に移動し、各源頭にほぼ同じ個体数で生活?; <3>. 子ガエルは全て源頭付近へと移動するが、半数前後の成体は、繁殖活動後、産卵流域から さほど上流へ移動せず、本流沿いで生活? ※この@については、6年間の詳細な秋の調査から答えは<3>であると証明されていますが、 その詳細なデータ等々については、まだここでは明かしません。 A.@を更に詳細に見て、 <1>.「沢の水辺近くなのか?」; <2>.「水辺から離れた林床なのか?」 B.「主に、何を捕食・餌としているのか?」 ⇒ A.Aの答えが重要となる。 <1>ならば水生昆虫:カゲロウ・トビゲラ・カワゲラ等の成体が主食といった仮説が…; <2>ならば土壌性の昆虫等が主食の可能性といった仮説が…。 私個人的には、調査当初から、<1>ではないのかな?と、ある理由から推測しているのですが… C.「主な天敵は?」:活動時間は、およそ日没前後〜夜半&明け方前後である。 主要な天敵は、現地の状況から推測すると。テン・タヌキ・イタチ;一部のヘビ、等が考えられますが、 これも、上記A.Aの答えが重要となるでしょう。 野鳥類は、あまり考えられない気がします。ナガレタゴガエル自体が、日中は、あまり活動しないし、 夜間にしろ、開けた所での活動でないので、夜行性のフクロウ等も考えにくいから。 D.「夏眠をしているのか(複数の間接的な証拠から間違いなく、しているはず)?」 ⇒ 「しているとしたら、どこにどんな状態で?」 |