(1).<最初に & 2021年(2020年度)の産卵・繁殖行動について>: (2).<観察会募集の内容>: (3).<早春の繁殖期(産卵移動期)に観察できる具体的な内容>: |
1.Top page に記したように、奥多摩秋川流域での[2021年のナガレタゴガエルの繁殖(産卵)行動期]は、 ほぼ平年並です。 ★ 水温が他の流域よりも極端に高い:矢沢上流域では、平年並に1月末・2月初旬に冬眠明けし産卵行動を開始し、 13-16日頃がピークでした。 ★ 多くの平均的な水温の流域では、たぶん、20日(土)の午後〜24日(水)頃がピークになります。 2.今年は、以下の@Aの2つの点で、この10年で一番の絶好の観察日和になると思います。 @.Top page に記したように、11,12年ぶりに個体数が復活したこと。 A.Top page に記したように、多くの流域がピークになるだろうと思われる20-24日頃が、 長い移動性高気圧におおわれて、ポカポカの晴天になると思われること。 例年の[繁殖(産卵)行動の時期] についての詳細は、◆→【Top file の表】を参照
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◎ 事前にメールされた方に、2月の13,14(土日)〜27,28(土日)に案内します。
ただし、降雨・降雪日;本降りの降雨日の翌日、等々、カエルは行動していても観察には全く不向きの日には、 行きません。 |
<1>.【冬の繁殖活動期のピークはいつ頃?】:
冬の繁殖行動(=産卵活動)の本ピーク(最大のピーク)は、ごく短期間:3日間ほどで、 日最高温度(水温・地温・気温)に決定されます。 ★ しかも、この最大のピーク日が、2年に一度位は、降雨日になってしまうのです。なぜなら、 この時期での水温の急上昇は、降雨に起因するのが普通だからです。 そして、この2月中・下旬に、相当量の降雨がある年では、絶好の観察日がほぼ無いのです。 なぜならば、カエルの個体数は不変でも、降雨日や降雨後の1・2日では、@.増水で水面が波立ち &濁り、水中が良く見えないから; A.カエルも流されまいと石の下等に集まり、人が陸から目視 できるような場所:水流・水圧の大きい所に居つかず、見えにくくなるからです。 ★ 一方、同じ沢の上流・下流や、同じ水系の異なる沢でも、流域によって水温が1−2℃位は 異なり、わずかこの程度の違いで、ナガレタゴガエルの活動ピークが顕著にずれます。 ⇒ この水温の違いは、標高の違いによるものではありません。湧水温の差によっているのです。 そのため、その時期に応じて、観察場所を臨機応変、適切な流域に移動すれば、必ず、 多数活動する場所で観察できるのです。 もちろん、降雨日&降雨直後は除いてです。 ⇒ 秋川水系などの場合、【2月下旬】ならば、降雨日でない限り、どこかしらで必ず多数 見れるわけです。 もちろん、これは、現地の詳細な状況: どの付近は水温が高く、活動が早く開始し・早い時期に 終結してしまうのか、どの付近は低水温で、遅い時期に開始し遅くまで活動しているのか、等を 詳細に知っている人が案内した場合ですが。 ★ ≪初めて観察しにくる人の場合、難しいのは≫: @.どの辺が活動ピークの流域なのかがわからない。 A.割と低水温時では♂が密集していても、見慣れていない人には、気づかない・見つけられない。 ⇒ 最大のピーク日(3日ほど)では水温が高く、多数の♂が密集している場所では、♂&ペアが 活発に動いていて気づきやすいのですが、低水温の日では、活性が弱く <1>. ナガレタゴガエルは、じっとしていて、沢の水中の石や枯葉等に対して、保護色の様に なっていて、目が慣れるまでは、すぐに気付かないこと。 ◆→ Top 頁の写真 参照 <2>. ヤマメ・イワナなどと同様、人の気配で、石の下に隠れてしまうこと。 | |
<2>.【冬の繁殖活動期に観察できる具体的内容】
◎ 少し誇張して言うなら、沢中どこでも見れます。淵・トロ場はもちろん、平瀬でも。 【流下移動中のペア】は、多数、観察できます。数分おきには1ペアは流下移動してますから。 また、多数の淵・トロ場で、【50−100匹ほどの♂の集団】が見れます。 20-30匹程度の集団のいる場所は、主要な淵・トロ場、全てで確認できます。 (2).<ピーク期に具体的に見ることでのできるナガレタゴガエルの行動の主な内容>: 「ヤマメへの抱接行動」「♂どうしの抱接行動」、等々、どこかしらで必ず、普通に見ることはできます。 いったん、詳細の記述を閉鎖します。 (3).<本ピーク日の3日ほどには当たらなくとも、2月中旬〜3月上旬の降雨日でなければ>: 少なくとも、多くの淵・トロ場で、10-30匹ないし、それ以上の♂集団が活動しているのは 観察できます。問題なのは、2月中旬以降、繁殖行動が開始された後、強い寒波で冷え込みが 強まった時: 活動がほぼ中断されてしまった時の2,3日は、不運ですが、見れる個体数は とても少なくなります。ま、それでも、一度、活動開始した以降では、相当に冷え込んでも、 どこかしらかの暖かい水温の流域で、それなりには見れるのです。 (4).<超暖冬期で、繁殖活動ピークが2月第3週位で終わったような年の2月末〜3月上旬>: 特徴としては、 @.「多くの淵・トロ場で、♀の死体(♂の死体も)が目立ってくること。そして、その死んだ♀に 抱接している♂が観察されること。必ず、どこかで、こういう死♀への抱接は目につきます。」 ナガレタゴガエルは超々難産のため、正常に産卵できなかった♀の死個体が特徴的なのです。 A.「繁殖期後半では、多くの淵に卵塊が目立ってくること。」 ただし、これは、人間で言うと、下痢便状態の産卵卵塊です。 ナガレタゴガエルは、本来、夜間に、大きな石の裏・岩の隙間など、人目になど付かない場所に 産卵し、卵塊を付着させます。ごくごく一部の♀は(全体からすると1%ほどでしょうか?)、 やもえず、沢の底・枯葉の上などでも産卵するのですが、その卵塊が繁殖期後半には目立つ のです。が、これらの卵塊の相当数は、未受精卵で、正常に発生しないものが多いです。 | |
★ 『筆者の強み』は:
1991年〜調査を継続し過去21間の繁殖期のカエルのデータ & 詳細な水温のデータを保有 していて、南秋川流域の水温状況を詳細に把握していることです。 そのため、『異なる沢での繁殖活動時期の相違』や; 『同じ沢でも流域による繁殖活動時期の 違い』を詳細に把握しているため、その日その日に合わせて、最適な観察場所に案内できること です。ある意味、カエル・ナガレタゴガエルは、精密な水銀温度計のごとく、温度に敏感で、 ほぼ同じ流域でも、0.5℃も違えば、活動する所としない所が顕著に違うので。 |
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